埼玉県健康管理士会 会員 田村 欣也

西老人会で、題は水と健康。厚労省啓発ポスターの -自ら健康に、水から健康に-とこまめに水を飲む習慣の定着など、それと日本水連の標語-早めに、こまめに、1回1口-を7回繰り返し強調した。高齢者は渇きを感じるのが遅いからだ。
1日の水の出入り-2.6L。入りは水が1.4Lなど、出は尿が1.5L、皮膚や呼吸による不感蒸泄が1Lなど。

心筋梗塞や脳梗塞の発症を防ぐために水は寝る前にも飲んだ方がよい。しかし直前でなくお茶などはやめた方が良い。冬は寝ている間の汗も多くはないから、沢山飲む必要はない。夜間頻尿で、2度以上起きる人は転倒・骨折の危険が高く、それで寝たきりになったのでは意味がない。夜はぬるめのお風呂と湯たんぽなどでぐっすり眠れる工夫をする。
朝起きたら一杯の水を飲む。朝は血液が一番濃くなっていて、心筋梗塞の発症は起床後3~4時間が一番多い。朝食の前の水も良い。胃の調子を整え、食べすぎを防ぐ。但しのどにつかえた時以外は食事中は飲まない方がよい。胃液が薄くなること、食べ物を流し込むことになるから。高齢者の脱水には経口補水液が良い。体の水分に近いから。水と健康

酒を飲む前、途中、後にも水を飲む。アルコールは抗利尿ホルモンの分泌を抑えるので尿が多くなり、ビールを1L飲んだら、1.2Lの尿が出る。薬は水で飲むように作られている。水なしだと食道に付着して粘膜を傷める場合がある。

冬の入浴は十分に注意。まず、特に42度以上の熱い湯だと汗を大量にかく。どっぷり湯船につかると、心臓のセンサーが血液が多いと判断して、水分を膀胱に押し出す。これで血液は濃くなる。更に、39度前後のぬるめの湯でも、寒い脱衣所から湯船につかると、血管が広がって血圧が下がる。1~2分後にはこんどは上昇し、5分後には徐々に下がる。湯船から立ち上がると血液が下がり、脳の血液が減る。このように血液が濃くなっている事と血圧の上昇・低下で、めまい・立ちくらみや心筋梗塞・脳梗塞の軽い発症でも、体が湯船に沈み溺死する危険がある。

熱中症は7~9月が圧倒的に多いが、冬も油断は禁物。暖房の効いた室内で厚着をしていたら、高温・多湿で体温調節が乱れ、発症する恐れがある。梅雨明けの第一熱波の時の発症が多いので、今から気をつける。
防げない熱中症はない。暑い日は外出しない。こまめに水を飲む。家での特効薬は扇風機併用エアコン。
私の述べた水は水道水の事。おいしい水は適度に冷たく、健康で、満腹でなく、穏やかな気持ちで飲む水です。