埼玉県健康管理士会 会員 佐藤 衣代

5月15日(火)戸塚西公民館で「病気予防とその食事~高血圧~」のテーマで講演させていただきました。
高血圧というと即、減塩が決まり文句です。では、なぜ減塩が重要なのでしょうか。限りなくゼロを目指さなければいけないのでしょうか。食塩は体にとって悪い作用だけなのでしょうか。食塩の作用を説明されないままに減塩のみが力説されている結果主義(?)に対して細かいところまで納得していただいたうえで減塩に取り組んでいただきたいとの思いでお話させていただきました。
講演内容は1.血管が大変 2.食塩にも三分の理 3.食塩10グラムを用意 4.測ったら記録 という順序で進めました。

1.血管が大変
血管の老化、降圧目標、高血圧の種類、そして生活習慣の見直し、食生活での注意点、すぐにできることはどんなことかの順で話ました。具体的には乳幼児を含め4人に1人といわれるほど高血圧の人は多いにも拘らず治療を受けず放置され、気軽に考えられています。そこで、血管が老化していく変化を血管の模型を使って見ていただきました。そして血圧の日内変化のなかで影響をもたらす起床、食事、トイレ、入浴などに触れ、高血圧が生活習慣と深く係わっていることを「チェックリスト」で再確認していただきました。9つの項目の中の1つである標準体重と現在の体重との比較のために計算式を示しました。 そして、食生活では ・一日3食、腹八分目 ・塩分の過剰摂取 ・適量の食事 ・栄養のバランスを注意項目としました。
2.食塩にも三分の理
食塩は有無をも言わさず悪者扱いですが、本当に悪いだけなのか。コレステロール同様、大事な側面が伝わっていないことを分かってほしいために入れました。食塩の効用、不足するとどんな症状が現れるのか、ミネラルの中ではカリウムが強調されていますが、カルシウムやマグネシウムを加え、カリウムポンプ、4つの相互関係、食塩の感受性・非感受性など細かすぎるかとは思いましたが、当初の考えを貫きました。食塩にもいろいろあるので、受付に3種類の食塩の容器を用意したのですが説明不足のため感想を伺うには至りませんでした。
3.食塩10グラムを用意
1グラムとは3本指で摘まんだくらい。外食や中食がかなり利用されている現代、目に見えない量と目に見える量の合計が厚労省の目安とされる10グラムであり、商品の裏の表示やレストランでの見本に置いてあるカロリーやナトリウム量などの表示から塩分換算をしておよその摂取量を判断すること、換算式などを説明しました。
4.計ったら記録
『血圧管理手帳』を大脇管理士から頂きましたので回覧。 小雨のなか、多くの方に熱心に聴いていただいたこととスローライフの皆様の細かいところまで心のこもったお心遣いに感謝申し上げます。また、いつもと変わらぬ管理士の仲間たちの暖かな視線、とても嬉しかったです。