講演者:大嶌 悠美生 会員

5月21日(火)に川口市戸塚西公民館にて、口腔ケアについてお話をさせていただきました。

当日は埼玉県健康管理士会の6名の方に応援をいただきました。
話の内容は健康な体を維持して健康寿命を如何に延ばしていくかです。それには口の中を清潔にして、80歳で自分の歯を20本以上残す「口腔ケア」の大切さを伝えさせていただきました。
歯を失う二大原因は虫歯と歯周病です。特に歯周病については注意しなければなりませ。それは歯周病の最大の原因は「プラーク(歯垢)」です。プラークはただの食べかすだけではなく細菌の塊だからです。
歯周病の症状としては歯ぐきが腫れたり、出血したり、口臭がある歯肉炎に。そして炎症が歯周組織までおよぶ歯周炎になることです。歯槽骨が炎症を起こすと歯槽膿漏になってしまい、歯を支える骨が溶けて歯がぐらついてしまいます。歯周病菌は歯と歯ぐき(歯肉)の間の歯周ポケット(歯肉溝)に入り込み炎症を起こします。
20歳以上では約80%の人が歯周病菌をもっているといわれています。
歯周病がかかわる病気としては呼吸器や肺の病気(誤嚥性肺炎)、動脈硬化の進行、脳梗塞のリスクを高める、糖尿病の悪化、感染性心内膜症、骨粗しょう症、低体重児・早産などがあります。歯周病の脅威は口の中だけにはとどまりません。また喫煙者はタバコのヤニにより歯垢が付着しやすくなったり、歯周病に対する抵抗力も低下して歯周病になりやすいので注意が必要です。
歯周病菌は歯垢で繁殖するため歯垢を取り除かなければなりません。歯垢をそのままにしていますと数ヶ月(人によっては2週間ぐらい)で歯石になってしまいます。歯周ポケットに歯石がありますと歯と歯肉が密着しにくくなり、そこに新たに歯垢がたまっていくことになってしまいます。
高齢者の口腔ケアは口の中を清潔に保ち、歯垢が付かないようにすることです。それには歯磨きや舌磨きを行います。入れ歯の人は食後、入れ歯を洗い、入れ歯をしたまま寝ないことです。そして定期的に歯科医院で歯の検査とメンテナンスを受けるなどです。
歯の磨き方はフォンズ法やバス法等がありますがよい方法として、歯ブラシの毛先を歯と歯の間に差し込むようにして磨くことをおすすめします。そして1日1回7~8分の時間で丁寧に、それも夜寝る前に磨きます。歯垢は再びできるまでには24時間かかることが分かってきたからです。また就寝前の歯磨きは虫歯予防にも効果的であること。

歯磨き
デンタルグッズについて、歯ブラシは毛が少なく毛が長くヘッド部分が小さいもの(奥歯が磨きやすい)、そのほか歯間ブラシ、デンタルフロス、舌ブラシなどを使用すること。特に舌磨きについては皆さんがかなり興味を持たれたようです。今後、実行される方が増えていけばと期待します。
歯周病の予防改善にはよく噛む習慣をつけ30回噛むことです。これにより唾液の分泌を促します。脳内の血流も増加して脳の活性化にもつながります。また歯ごたえのあるもの(リンゴ、キュウリ、セロリなど)を食べる習慣をつけたり、食後に緑茶を飲むのも歯周病予防(カテキン:抗菌作用)になります。
口腔の老化を予防するには運動(有酸素運動)・会話(認知症予防、口輪筋も鍛えられる)・笑う(表情筋が鍛えられる)です。
くちびる体操、ういうい体操、言葉の体操、舌の体操等を実際に行ってみました。出席された85歳で、今現在もおせんべいをポリポリ食べられる歯の丈夫な女性も居ましたことには驚かされました。
自分の歯で、美味しく食べて、おしゃべりして、体を動かして、自立して元気で長生きしましょうで話を終えました。