講演者:佐藤 衣代 会員

6月19日(水)中央ふれあい館で講演を行いました。

自分の健康を維持していくには日常生活における自己管理と専門家の助けを借りる管理の二通りがあります。口腔ケアを例にとると、毎日の歯ブラシによる自己管理と歯科医師による定期的歯科検診とがあります。
今回、自分で出来る身体的項目として体温、血圧、脈拍、体重、食欲、嗜好、顔色、便・尿を、そして精神的項目には睡眠、地域活動、おしゃれを挙げました。
私たちはとかくこれらの数値にこだわります。数値は正に通知表のようなもの。結果を突きつけられると然もありなんと納得する余裕どころか、一喜一憂してしまいます。
数字はとかく独り歩きし、本来の姿を隠してしまうこともあります。そこで、数字の奥にある測定の意義に注目しようと考えました。

  1. 体温測定とは大動脈を流れる血液の温度を知ることであり、平熱を知ること、身体の異常の早期発見、病態の把握、薬の効果の把握などが目的といえます。因みに、体温計は1609年(1612年説もあります)、イタリア人医師サントリオ・サントリオによって考案されましたが、彼の望んだ体温の数値化は正しく出来ず、その後100年以上かかりました。日本では、第一次大戦により輸入が途絶え、国産の良質な体温計を望む医師たちの声に北里柴三郎博士が力を尽くされ、正確な体温計がつくられるようになりました。
    健康管理士会 体温
  2. 血圧は心臓から動脈へと送り出された動脈壁の柔軟性を測定した値であり、動脈硬化と密接に関係しています。脈拍は心臓からの血液により動脈壁が拡張し、振動し、その波が動脈系の末梢へと伝わり、脈拍として触知された値であり、心臓に影響する身体の異常や精神的興奮があるかどうかを知る手がかりが得られます。
  3. 体重は参加者の年齢を考慮し、BMIにも触れましたが「低栄養予防のための食生活指針」を紹介しました。講演終了後、参加者からコピーのご要望をいただきました。
  4. 食欲では舌を実際に動かしたり、両手の平を出していただき「手の平ばかり」の説明や味覚変化に関係する亜鉛と多く含む食品などおいしく食べるための話題に努めました。
  5. 顔色は肝臓、心臓、脾臓(胃腸)、肺、腎臓などの臓器と顔色の関係を。
  6. 便と尿は形状や色などの説明に対しよく観察されているようでした。便秘でお薬を服用中の方もいらっしゃいました。
  7. 地域活動やおしゃれは精神面の健康に摂っては非常に重要な要素を含んでいます。

朝から本降りになるとの予報でしたがどうやら午前中はもち、ホッとしました。