講演者:新田 和雄 会員

7月17日(水)に川口市ふれあい館にて「健康診断について」18年間の臨床検査業界での経験と10年余りの健診業務に携わった経験をもとに講演させて頂きました。
平成24年4月から「特定健診・特定保健指導」が新たな制度としてスタートして5年がたちますが、一向に健康診断の受診率が上がらない現状を踏まえて、一人でも多く健康診断を受診して頂こうと考えて講演を行いました。

国は、この特定健診でメタボリックシンドロームの該当者や予備群を減らす目的で始められました。従来の住民健診や一般健診と若干異なる部分と一次予防の考え方に視点を置いて話を進めさせて頂きました。

先ずは、健康診断には大きく分けて、病気を見つけるためのがん検診と自分の身体状況を観察するための一般健診の2つあることを前提にして、がん検診の種類と検査方法をわかりやすく説明したうえで、重要なことは、健診結果で万が一疑いがあると診断された場合には、躊躇なく精密検査を受けることを説明しました。健康管理士会 精密検査
また、二次健診(精密検査)の統計データ(国立がん研究センター)を基に胃がん、肺がん、大腸がん及び乳がんと子宮がんの検診受診率と精密検査の受診率及び精密検査でがんと診断された比率を紹介し、精密検査の考え方と受ける方法などを話しました。

次に、一般健診については、健診結果の見方、考え方などで戸惑いが予想されています基準値について話をしました。基準値は、多くの健康であろうとされる方々のサンプル結果を基に統計処理をされている事やサンプルとなっているのは病院の職員が多数含まれており、年齢によっての統計処理がされないので比較的若い方々のデータを基にしていることなどを踏まえて基準値はあくまでも参考として考える。重要なのは、ご自身の結果数値がどのように変化してきているか、前回と比較してどうか、このままだと次回はどの様な結果になるかを予想して生活習慣などを工夫することを説明しましたが、わかりやすくという点でもう一つ工夫が必要と思いました。ただし、なるべく同じ医療機関で定期的に健康診断を受けることについては共感を得られたと感じました。

最後に、特定健診や後期高齢者の健康診断および自治体が行っているがん検診の概略の説明と問合せ先を案内させて頂きました。