講演者:大嶌悠美生 会員

(11月18日(水)川口市中央ふれあい館)

日本は世界一のスピードで高齢化が進んでいます。超高齢社会という時代に入り、平均寿命と健康寿命の差は男性で10年、女性で13年となっています。将来の健康に不安を感じる人も少なくありません。そこで日常的介護を必要としないで、自立した生活をいかに送って行くかにあります。そして健康寿命を延ばしていくことが大切です。

 介護が必要となる原因はいくつかありますが、今回は「転倒・骨折」、「関節疾患」を中心に話をさせていただきました。高齢者を「転倒・骨折」から守るには、運動器疾患の早期発見や身体のバランス能力を高め、いかに筋力を維持していくかにあります。主な内容は次の通りです。

○寝たきり
 寝たきりになってしまう原因と寝たきりにならないためにはどうすべきか。廃用症候群(体の中で動かしていなかった部分が、結果として動かなくなってしまう症状)になってしまう。使わない機能が劣化していってしまうことです。
 寝たきりにならないためには、肉体的にからだの筋肉や関節をまんべんなく使う。生活習慣の改善。精神の若さを保つことです。

○自分自身の運動器の状態を知ること。
 片足立ちチェック、手伸ばしチェック、行き帰りチェク、ロコモチェック(7項目)などです。何人かの人に実際に行っていただきました。

○運動で体を錆びさせない。
 いつまでも自立した生活を送るには3つの「運動能力」が必要です。筋持久力(家事や歩行などを長く続けるための運動能力)、下肢体幹筋力(足腰の力、下半身の力)、全身のバランスをとる能力などです。

○高齢者の転倒。
「片足立ち」動作が正常かつ円滑にできないために起こります。転倒による「骨折」、骨折で「寝たきり」につながりやすくなります。

○老化や病気を防ぐ正しい生活習慣をおくる。
 若さを保つための食事、タンパク質、抗酸化物質、血液サラサラにする食物、水を飲む等バランスよい食事をし、毎日の睡眠を確保することです。

 一人ひとりがロコモ対策に努め運動習慣を身に付けること。首の痛みや肩こり、腰痛、手足の痛みなどは運動器に起因すると考えられます。痛みがあるからといって全く運動しないと、ロコモに陥ってしまう恐れが生じてしまいます。整形外科の専門医を受診して、それ程問題がなければ医師と相談しながら、運動を行うことが大切と考えます。