講演者:田村欣也 会員

5月18日、中央ふれあい館では館員の山崎さんが早朝から会場の準備をなさって下さるなど大変お世話になりました。講演をする身にとってはありがたい事でした。

「年をとり美人薄命ウソと知り」の川柳から入り、この60年間で寿命が10年以上伸びた例として、サザエさんの父の波平さんが当時は54歳の設定だったことなどを話し、元気で長生きする生活とは―と話を進めました。
最も大事なことは、転ばずに歩ける事と良く噛んでおいしく食べられる事です。そして痩せすぎず、肥満でなく、適正体重を維持して下さい。今は摂取カロリーよりBMI(体格指数)を基準にしています。元気で長生きをする人は楽しく食べ、お金に関心を持ち、友人が沢山います。
そして、普段は少し頑張るけど、体調を考えて無理をしません。百寿者は97%が病気を持っていますが、がんや糖尿病にかかっている人は極めて少ないことをレジュメの資料編で説明しました。

朝は同じ時間に起き、水を飲み、朝日を浴びて朝食を摂りましょう。5月から熱中症の危険があるので水の飲み方に時間を割きました。体からは不感蒸発といって気がつかないうちに呼気や皮膚から一日1ℓの水分が出て行きます。そして喉の渇きは感じにくく、高齢者は感じ方が遅いですから「早めに、こまめに、一回ひと口」で水を飲む習慣をつけましょう。特に梅雨の晴れ間や、梅雨明けの第一熱波の時は発症の危険が最も大きいのです。暑い時は外出しないようにしましょう。
高齢者の発症は半分が家の中です。家の中では扇風機併用のクーラーが最も効果的な熱中症予防です~体に良くないのは冷やしすぎだからです~。朝の光と朝食は体内時計のずれを調整してくれます。二日酔いでも少しで良いから朝食をとりましょう。食事は低栄養にならないよう気を付けてください。百寿者の6割が毎日果物を食べています。

転倒・骨折防止のためには歩いて、ふくらはぎや太ももの筋肉を付けてください。歳をとると自分が思っているほど足は上がらず、バランス感覚も低下しています。慣れた道や家の中でも転んでけがをしますから、注意して下さい。お風呂は温めで、冬は脱衣場を暖かくしておき、湯船から上がる時は軽い貧血状態になりますからゆっくり上がって下さい。お風呂に入る前に必ず家人に声をかけて下さい。お風呂で亡くなる人が1年で1万7千人もいるのですから。

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就寝時間や睡眠の長さは昼間の生活に支障がなかったらあまり気にしすぎない方が良いでしょう。加齢で男性は早寝早起きになり、夫婦間で就寝・起床時間にずれが生じますから、そのことをお互いに理解しておいた方が宜しいでしょう。
講演を通じて「体調がおかしいと思ったら、迷わず医師に診てもらう」よう言い添えておきました。