講演者:篠原由紀子会員

12月15日、新郷公民館にて「民話の語りと健康よもやま話」というテーマで講演いたしました。
民話は長い年月をかけて人から人へ語り継がれてきたもので、人生の喜怒哀楽が全て含まれています。中でも昔話は。時、場所、人が曖昧で何時でも自分と置き換えて聞くことができます。語り手と聞き手で結ばれる緩やかな絆の中で、皆で一緒に楽しむことで、互いに癒し癒されるのです。

むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがいました。これは昔話を語り始める時の決まり文句です。なぜいつもおじいさんとおばあさんばかりなのでしょう。民話語りの発祥は平安の終わりから室町時代にかけて広まったと言われています。室町時代の平均寿命を15.2歳。これは1歳未満で亡くなる人数が非常に多かったためで、ある程度成長すれば結構長生きをする人もいたようです。15歳以上生きた人の平均死亡年齢は、室町時代で33歳、江戸後期で45歳でした。昔、女性は初潮を迎えると結婚して毎年のように子供を産み、子育てに追われました。夫である男性も大家族の食いぶちを稼ぐため、朝から晩まで重労働をしていたので、栄養不足に過労が続く生活。始めに産んだ子が成長して孫となる子を産むのは、40歳くらいですが、その頃には男女共にヨボヨボで、腰は曲がり歯は抜けて皺だらけのおじいさんとおばあさんになっていたと思われます。

それに引き換え、現代の高齢者は元気な方が多く、いくつからがおじいさんとおばあさんだと思うか来場者に質問したところ、最も多かったのが70代と80代でした。人は歳をとることは避けられませんが、健康的な生活習慣を送ることで、老化を予防することにつながります。溢れる情報の中から、自分にとって必要な正しい情報を選択することが大切です。なぜ就寝中に何度もトイレに行きたくなるのか、すぐ目が覚めてしまうのか等、老化による身体の変化を理解しておけば、不安に煽られることもなく、様々な対策方法が在ることがわかります。

歳をとっても、運動機能は鍛えて向上させることができます。適度な運動を続けることが大切です。歩く早さは生活機能の衰えを予測することができます。楽しく運動すると、筋肉ホルモンが増えやすいので、フレイルの防止はもとより、糖尿病、肥満や認知症を予防することができます。楽しく運動するために、今回は宝さがしウォーキングの薦めと、手足を動かすと同時に歌いながら脳活もできる、わらべ歌とリトミックを会場で皆さんと一緒に行いました。

***民話語り***
犬の足 舟戸の阿弥陀さま 大黒さまのおかげ 貧乏神の土産  雷さんお月さんお日さん  お茶売り勘兵衛さん 目ん玉落とした医者さま>