講演者:大嶌悠美生 会員


人は誰でも加齢とともに体のいろいろな部分に支障をきたし、注意を払い気を付けますが、「歯と口」のことについてはあまり注意を払っていないのではないでしょうか。「歯と口」は意外なところで全身の健康と病気に関わっていることが分かってきました。「歯と口」の力が低下したり、支障を起こさないよう、元気で健康に暮らすためにも「歯と口」も大切にしていかなければなりません。

*4つの「歯と口」の力の原因と病気について説明をいたしました。

①「呼吸する」力が衰えていくと、口呼吸になることです。
原因は口の筋肉が衰えてくることで、無意識に口を開いてしまう口呼吸です。
口呼吸は鼻炎、慢性扁桃炎、いびき・睡眠時無呼吸症の恐れが出てくることです。②「飲み込む」力が衰えていくと、食べ物がうまく飲み込めなくなり、誤えんを起こすことにつながります。むせたり、咳き込むこともそのひとつです。
原因は舌の筋力、脳や神経の機能低下です。加齢や生活習慣の影響で誰しも衰えが進むので、油断は禁物です。誤えん性肺炎を起こすことにもなりかねません。③「大人の虫歯と歯周病」です。原因として大人の虫歯は歯ぐきがさがる、象牙質が厚くなり神経をかばうため虫歯に気づきにくくなり、進行してしまい歯を失うことになってしまいます。歯周病は歯磨き不足で歯垢や歯石がついてしまうことで、心内膜炎、心筋梗塞、動脈硬化症、など全身の病気にもつながりかねません。

④「噛む」力が衰えていくと、やわらかい食べやすいものばかり食べるようになったり早食いで飲み込むような食事をしてしまいます。
原因としては歯が1本ぐらいならと抜けたまま放置してしまうことや、入れ歯がうまく噛み合っていないなどです。速やかに歯科医院を受診することをおすすめします。噛むことの効用は脳が活性化され認知症リスクも少なくなり、ヒスタミンが量産され、満腹中枢も刺激され、食欲が抑制されて肥満防止にもつながります。

*「歯と口の力」の衰えを防ぐ方法・・・いくつか紹介しました。

①呼吸する:口呼吸を防ぐ、口輪筋トレーニング。
②飲み込む:「べろはたから」を1日20回繰り返す。
③虫歯・歯周病:歯をよく磨き歯垢を落とすこと。デンタルフロス、歯間ブラシの使用もお奨めしました。
④噛む:歯の噛み続け癖をしない。食事はよく噛む習慣を!

*今ある「歯」を全部残す努力をしてください。ということで終了しました。

5月16日(火)戸塚西公民館