講演者;佐藤衣代会員

 

講演内容の「水分」についてはペットボトルを持参して水分補給をすることは定着したようですが、どんな飲料を皆さんは飲んでいるんだろう、と疑問に思ったことに端を発したものでした。ちなみに清涼飲料には炭酸飲料、果実飲料、野菜飲料、コーヒー飲料、茶系飲料、ミネラルウォーター、スポーツドリンク、乳性飲料(乳固形分3%未満のもの)、機能性飲料など、また色のあるなしに関しても一見水のように思えるフレーバーウォターなど数に限りがないといってよいほどの種類が販売されています。

今回の話の構成は1、いつものお便り 2.水分の必要性 3.水分の種類と選択 から成っています。

1.「いつものお便り」①「体からのお便りを見ていますか」ではお便りをおしっこに限定することを前置きし、尿の色は健康のバロメーターとなることから入りました。お便りという意識への反応は薄かったように思いました。「隠れ脱水」チェックは爪を押す、富士山の2種類を行いましたが皆さん無事通過しました。水分の収支バランスは2.5リットルですがその内、約1.2リットル位が飲み水として摂取されること ②一日のうちでどんな風に必要量を飲んでいるか ③常温の水ばかりではなく冷水にも利点があることを例を挙げ話しました。

2.水の必要性では、血液、尿、汗との観点から捉えてみました。血液は体内に栄養分と酸素を運んでくれます。その血液を構成成分から見た場合に血漿と血球に分かれ、そのうち血漿の約91%が水であること。尿と水の関係では腎臓で再利用される水分を再吸収し、不要となった水分を尿へと排泄されること。汗は体温調節にとって大事な産物であること。従って水を飲むことは熱中症にならないためだけでなく、血液、尿、汗という体調管理の面と結びついていることを話し、高齢者になると体の水分量が減ってしまうのは体の中で一番水分保有量の多い筋肉が減少してしまうこと、食事の量が減ってしまうこと、トイレに行くのがおっくうになるので水分摂取量を減らしてしまうことなどが挙げられることを説明しました。

3.水分の種類と選択で参加者に水道水、ミネラルウォーター、清涼飲料水のうちどれで水分補給をしているかを尋ねたところ、水道水の方は殆んどいらっしゃらず、清涼飲料水が多いようでした。水道水は水道法で51種類の検査に合格しており、安全が担保されているにもかかわらず、味がないので飲まれていないようです。手軽に味のついたものを選択してしまいがちですが、商品は企業の意図の上に造られたもので商品の栄養成分表をよく見て選ぶことが望ましいことを話しました。「口飲み」に関する注意喚起を促した(一社)全国清涼飲料工業会の冊子を取り寄せ、皆さんに配布しました。

最後に質問を頂きました。「尿検査を忘れ、トイレに行ってしまった。飲んだ水はどのくらいで尿となるのか。」という内容でした。明確な数字をつかんでいなかったので、会場の指導士に振り、司会役の両角さんが調べて応えてくださいました。

講演の内容についてもっと深く、もっと広く知っておくべきであり、こうした疑問からの質問に思いが及ばなかった考えの浅さを反省しました。       t