9月21日 中央ふれあい館

岡 章次 会員

このテーマは以前から考えていたものですが、日本人の座位行動が、世界で一番長い7時間/1日という調査データがあります。座位行動が長いことは様々な疾患のリスクを高めることになり、国内外で研究が行われてきました。2年半前に発生した新型コロナウィルスの感染症によって、出歩く機会も減り、それによって高齢者は益々座位行動の時間が増え家にじっとしていることが多くなっていると推察しています。

今回は「じっとしていることによる」弊害、つまり、太りやすくなる、太ることを気にして食べる量を減らすことで低栄養になる、血流も悪くなる、筋肉や骨への刺激が減少しそれによって、サルコペニア・ロコモ・フレイル・転倒、そして要介護ということになるリスクの増大、また、腰への負担、睡眠への影響、心の問題等についても触れ、「じっとしていることは」よくありません、ということを訴えました。

おうちでも体を動かすことの大切さも強調しました。おうちでできる軽い運動も皆さんと一緒にやりました。昔を思い出して、「小学校での床の雑巾がけ」「バケツで廊下に立たされたこと」「窓ガラスふき」「お風呂から上がる行為」「階段の上り下り」などなど。これを立ってやることもお勧めしました。

覚えて帰って頂くこととして、「長時間じっとしていることはよくないという意識をもってもらう」「長時間の座りすぎを短くしましょう」「体を動かすことを生活習慣にしましょう」ということでまとめました。 

最後に、古代ギリシャのヒポクラテス(医学の祖)の言葉を紹介し、講演を終えました。

「あなたが不機嫌なら散歩に出かけなさい。それでもまだ不機嫌なら、もう一度散歩に出かけなさい。」

「人間には歩くことが何よりの妙薬になる。」と。