埼玉県健康管理士会 会員 佐藤 衣代

9月21日、15号台風が関東を直撃するかもしれないという悪天候の中、川口市中央ふれあい館講座室で一時間半の講演をさせていただきました。
「おいしく食べましょう」と題しておいしさを判定する直接要因、間接要因、背景要因などの導入部分から本筋の7項目へと展開し、1.食欲 2.噛む力 3.唾液、消化液 4.腸の働き 5.味覚と嗜好 6.生活環境 7.精神的要素の構成にしました。
本来、「おいしく食べましょう」は低栄養の防止を目的としていますが今回は理論的な説明ではなく、むしろ日常の食生活の中に上記のような様々な観点を取り入れつつ楽しい食事をしていただくことを願ってお話をいたしました。

美味しく食べる

  1. 食欲の項では食欲と脳、ホルモン分泌の関係、その関係を乱すストレス、不規則な生活について、食事の質と低栄養との関連性、一日の摂取量については農水省の1800キロカロリーを満たす食材の例と献立、また、手の平秤で計るおおよその必要量など、加えて何故いろいろなものを食べるのかを「栄養素と体の関係」の図(インターネットにて検索)を用いて説明、BMI(体格指数)を通して現在の食事量を判断するなど食生活に関することを説明しました。残念ながら会場では各人の指数を求めていただくことは時間の関係で出来ませんでしたので、お帰りになったら計算していただくことをお願いいたしました。
  2. 噛む力では、噛む回数の変遷と各人の噛む力の程度のチェック、歯の種類と食べ物の関係、〈ひみこの歯がいーぜ〉が示す噛む効用、次に〈噛めない〉、〈柔らかいものを食べる〉、〈食べる機能の低下〉という負のスパイラル、歯の2種類のケアについて。
  3. 唾液・消化液ではまず食物が入った口腔内の様子と嚥下のしくみ、唾液の働き、正しい食事の姿勢、消化と吸収について。
  4. 腸の働きでは便秘予防のための注意事項。
  5. 味覚と嗜好では味覚の低下がもたらす濃い味付け、味覚チェックの提案としてペットボトルの容器に水500ミリリットルと塩4.5グラムを混ぜたほぼ生理的食塩水に近いものをつくり、その塩加減をどのように感ずるかを確かめていただくもの。これを私も前日、実験。まさに閾値という感じにちょっとドキッとしました。
  6. 生活環境と
  7. 精神的要素では食卓への心配りやゆとり、お金をかけずに出来る驚くほどのテーブルアレンジなどを紹介いたしました。

雨の中をお越しいただいた方々、暖かい視線で見守っていただいた健康管理士の方々に感謝申し上げます。
また、質問もしていただきまして有り難うございました。更なる勉強の励みに致します。