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【食物繊維のはなし

~昔はゴミ、今は美と健康のカギ~

手塚 典子  会員

食物繊維は、水を吸って量を増す不溶性と、水に溶けてドロドロになる水溶性があります。

半世紀前まではまだ、水に溶けない植物の細胞壁(セルロースなど)だけが食物繊維と認識されていて、食べても出ていくだけの物だったのです。その後の研究で、水溶性食物繊維が認識されるようになり、どちらも消化吸収されずに血糖値の急上昇を抑えたり、大腸まで届き腸内環境に関与していることが分かってきました。

近年研究が進んでいるのが「腸内細菌のエサ」としての発酵性食物繊維で、発酵により産生される短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸、プロピオン酸)が私達の健康に大きく関与していることが分ってきました。

 人の大腸には1000種類100兆個以上の腸内細菌が住んでいると言われています。ビフィズス菌に代表される善玉菌が2割、悪玉菌が1割、残り7割は日和見菌(日和見菌は多い方の味方をします)。

 この善玉菌のエサになるのが発酵性食物繊維で、ペクチンなどの水溶性食物繊維と、最近話題のレジスタントスターチ、一部の不溶性食物繊維も含まれています。

 水溶性食物繊維は発酵しやすく、主に乳酸菌やビフィズス菌のエサになります。乳酸や酢酸を産生して、大腸の入り口から腸内を弱酸性にし悪玉菌の増殖を押さえます。

レジスタントスターチは難消化性のでんぷんです。細胞壁に囲まれていて、人間の消化酵素が働かず大腸の奥深くまで届きます。豆類や穀類の外皮に多く含まれ、善玉菌である酪酸菌のエサになり酪酸を産生します。酪酸はアレルギー症状などの過剰な免疫反応を抑える働きなどが期待されています。

 100兆個の腸内細菌はそれぞれに個性があり好みが違っています。色々な食物繊維を1日に25g以上摂ることで生活習慣病のリスクが下がることが分かっています。特に大腸がんは予防できるともいわれます。残念ながら日本人の平均摂取量は10g少ないそうです。1日に3~5g増やすことから始めてみましょう。

 発酵性食物繊維は、白米に3割押し麦やもち麦を混ぜて麦ごはんにするだけで3~5g(茶碗に150g3回で)、全粒粉入りのパンでも1個2g、緑黄色野菜のサラダに蒸大豆や蒸黒豆を20粒トッピングで +3g摂れます。

またレジスタントスターチは、一度温められて柔らかくなったデンプンゆっくり冷えるときにも出来ます。冷ましたご飯や、茹でて冷やした乾麺やパスタ、蒸してから冷えたジャガイモにも出来ます。ポテトサラダにしたり、冷製スープに。焼き芋も冷たくして。完熟前の緑がかったバナナにも。

2026年8月5日、19日  公民館

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