講演者:大脇 久子 会員

最近流行の兆しがみえる「インフルエンザ」そして「かぜ」を眼目においてお話をさせて頂きました。
まずはかぜとインフルエンザの違いについて。普通のかぜの症状は、のどの痛み、鼻汁、くしゃみや咳(せき)などが中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはほとんどありません。症状を緩和するお薬を飲んでいただくことになります。
一方、インフルエンザの場合は38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が強く、あわせて普通のかぜと同様の、のどの痛み、鼻汁などの症状も見られます。さらに、気管支炎、肺炎、小児では中耳炎、熱性けいれんなどを併発し、重症化することがあるのもインフルエンザの特徴です。
「インフルエンザ」そして「かぜ」
電子顕微鏡でみるインフルエンザウイルスの正体。栗のイガイガのような模式図。
このイガイガ「H」「N」の種類によりA香港型H3N2Aソ連型H1N1などに分類されます。WHOや厚生労働省により流行の型を予想してワクチンが製造されます。インフルエンザウイルスによる重症化を避けるため治療・予防に抗ウイルス薬を使用します。内服薬、吸入薬、注射薬があります。咽頭や気道から細胞質内に入ったインフルエン ザウイルスは細胞核内でRNAが複製・増殖された後細胞から切り離され発症します。切り離すのがノイミラ二ダーゼNA。そしてノイミラ二ダーゼを阻害するのが現在使われている抗ウイルス薬です。
清浄作用、抗炎症作用、殺菌作用などを期待してうがい薬・トローチが使用されます。
正しいうがいの方法は、一回目のうがい:食べかすや口の中の有機物を取る二回目のうがい:含みうがい後のどの奥まで15秒三回目のうがい:のどの奥まで15秒薬は正しくそして安全な使い方をしなくてはいけません。

かぜ薬の選択法は?
前立腺肥大症、緑内障の患者さんにだしてはいけない薬がかぜ薬にあることを知っていますか?
総合感冒薬に含まれている鼻水、鼻づまりに効く抗ヒスタミン薬・抗コリン薬です。
総合感冒薬はかぜの諸症状に対応するためいろいろな作用の薬が含まれています。
人によっては、使わない方がいいものがあるかもしれません。
医療機関でもらう「PL」市販薬「ベンザブロックL」「改源」「パブロン50」使ってはいけない方はいるでしょうか?
市販薬(OTC薬 over the counter カウンター越しにの意)を購入する時どうしていますか?
第10回厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会資料(平成17年2月28日)消費者アンケート調査の結果からみた市販薬の買い方、市販薬購入時の選択方法をみてみました。店頭での宣伝やCM、人からのお勧めで選んでいませんか?
自分自身「セルフ」にあった薬を選択して使用「メディケーション」することが大切です。
医師による処方箋ではなく、規制緩和によってインターネットやコンビニエンスストアで購入出来るようになりました。セルフメディケーションの時代到来です。医療機関に罹っている方は「お薬手帳」はご自分のカルテにあたります。有効活用をして、薬のアドバイスはかかりつけ薬局から!
薬を飲むときには「水」「白湯」で「グレープフルーツ・ジュース」ではやめましょう。
「グレープフルーツ・ジュース」に含まれるものがお薬の体の中での変化に影響して効き目を変えてしまうのです。

まだまだ課題はいっぱいですが、大雪の中来てくださった老人会・健康管理士会の皆さんにこの場を借りて感謝申しあげます。