講演者:田村 欣也 会員

7月18日(水)中央ふれあい館で講演しました。

川口市中央ふれあい館での講演は梅雨明け翌日の非常に蒸し暑い日で、「熱中症は予防できる~水と健康~」にピッタリの日となりました。まずは梅雨明けが猛暑だった一昨年とおなじ日で、一昨年は熱中症で1718人が亡くなり、埼玉県は124人で東京・大阪に次いで3番目に多いことや65歳以上が全体の8割を占めていること。そしてこれまでの統計で、発症は梅雨明け後の第一熱波の7月下旬に集中している事をあげ、急に熱くなって体の体温調節がうまく働かないと熱中症になるので今日から十分に対策を取って下さいと注意を促しました。


標語を二つ紹介しました。一つは自ら健康に、水から健康に。水を上手に飲めば健康にプラスという以前に、栄養・休養・運動を適切に実行することー健康は自己管理が大前提です。二つ目の標語は早めにこまめに一回ひと口。それから標語ではありませんが何かをする前に、途中で、した後に一杯の水を飲んで下さい。起きた時、出かける時、お風呂に入る時、寝る前などと話を広げてから、防げない熱中症はないーと本題に入りました。
人間の感覚の中で、渇きが一番鈍いことや人間は普通の生活をしていても皮膚からと呼吸で1リットルの水分が不感蒸発するので、気が付かないうちにゆっくりと脱水が進むこと。年を取ると、暑さを感じにくくなり、汗もかきにくくなっていることを伝えました。そして早めにこまめに一回ひと口を繰り返しながら、水を飲むのが苦手な人も今よりコップ2杯分余分に飲んで下さい。渇きを感じる前ですよとしつこく。
熱中症の発症原因に触れながら、気温・湿度・風の有無・直射日光の4つの要素が熱中症の発症に関わっている事。熱中症の初期の症状を挙げ、水や経口補水液をのみ、エアコンをつけたり、首などを冷やすなど早めに対応することで、重症化を防いで下さい。お年寄りの40%が屋内で発症しています。だから家では換気を十分良くしましょう。だるいのは夏風邪だとか頭痛・めまい・立ちくらみを持病だからと決めつけず、蒸し暑い時はエアコンをつけ扇風機を回すのが一番の熱中症対策ですと、まずは室内対策。次いで、35度以上は外出しない。28度以上は水を持ち、帽子をかぶり、日傘をさしてと外出の際の注意事項。アスファルトの上は気温より5度高いこと。だから乳幼児はもとより小学生までは周りの人が気をつけてあげましょうと述べて、熱中症の話を締めくくりました。
心筋梗塞や脳梗塞の発症を防ぐのにも、早めに水を飲むことが有効です。寝ている間に夏はコップ二杯分の汗をかくので、朝は一番血が濃くなっています。それに起床の前後から血圧が上がることなどから、血栓ができやすく、心筋梗塞は起床後3~4時間後、脳梗塞は睡眠中と起床直後の発症が多くなっています。心筋梗塞は冬にやや多い程度で、脳梗塞は少しの差ですが、夏が一番多いのです。歌手の西条秀樹さんは48歳の夏に発症しました。ですから、寝る前と起きた時に一杯の水を飲みましょう。寝る前と言っても直前ではなく、一時間前で、お茶やコーヒーは利尿作用がありますからやめましょう。
ここまで話した後、水を飲むのが良いと言っても飲みすぎないように自分で判断して飲む量を調節してください。夜中に2度以上トイレに起きる人は転倒して骨折する危険が倍以上になりますと水の効用にも<水を差し>ておき、最後に入浴の前後にも一杯の水を飲んで下さいと話しました。
熱い湯になる程汗をかく量が多いので、入浴中に血が濃くなること。血圧が上下すること。そして湯船からあがる時に水圧が下がって脳の血液が減り軽い貧血状態になることなどをあげ、立ちくらみやめまいで浴槽に滑り込み溺死する事故が一年に4000件起きていることを説明し、入浴の前後だけでなく入浴中にも一杯の水を飲むことをすすめました。
そしてしつこく、健康は自ら管理することを強調し、早めにこまめに一回ひと口の標語を繰り返して講演を終えました。