講演者:佐藤 玲子 会員

11月7日(水)西老人会にて表題のテーマで講演を致しました。

コレステロールは体にとっては不可欠な脂質の一種で細胞膜、ホルモン、胆汁酸、ビタミンDの材料になるので毎日一定量肝臓で作られていますが、70%は体内で合成され残りの30%は食べ物から補っている。コレステロールは総量が一定に保たれるように調節されていますが、食べ過ぎるとコレステロールは増えてしまい使われないコレステロールは血液の中に残ってしまいりコレステロール値が高くなる。そのために食べ物から沢山摂らないように「日本人の食事摂取基準2010年版」ではコレステロールの1日摂取目標を男性は、750mg、女性は、600mgと定めている。コレステロールの値が高い人は1日に300mg以下に抑え、摂りすぎないことが必要です。
コレステロールは体の各細胞に運ぶ悪玉コレステロール(LDLコレステロール)と残ったコレステロールを肝臓に戻す善玉コレステロール(HDLコレステロール)があります。コレステロール値が髙くなり脂質代謝異常症から心筋梗塞、脳梗塞を引き起こすのは体の隅々に運ばれたLDLコレステロールが使われなくなり血液中に残ってしまうとだぶついたLDLコレステロールは血管壁に沈着します。さらに血管内に取り込まれるLDLコレステロールが酸化することにより免疫細胞の一種のマクロファージが酸化LDLコレステロールを取り込む~ことにより泡沫細胞という状態になります。、更にプラーク(こぶ)になる(脂肪を大量に取り込んでお粥のように見える)泡沫細胞が積み重なって血管が硬くなる。動脈硬化が進むと血管の中(内腔)が狭くなり血流が悪くなり、泡沫細胞がはがれて血管の膜が破れ、それを修復するのに血小板が出てきて塊を作りその塊が血液の流れに乗って詰まった場所によって心筋梗塞、脳梗塞となる。

講演テーマ:「世界遺産の食文化と健康の知恵」
HDLコレステロールの値が低く過ぎても血液中にコレステロールが溜まりやすくなり血液循環を妨げるために心筋梗塞、脳梗塞の原因になる。
中性脂肪とHDLコレステロールはシーソー関係にあるために中性脂肪が増えすぎるとHDLコレステロールが減りLDLコレステロールが増えて結局は心筋梗塞、動脈硬化の原因になります。そのためにHDLコレステロールの値が40mg/dl 未満、LDLコレステロールの値が120mg/dl以上、中性脂肪の値が150mg/dl以上にならないことが大切です。
コレステロールの値が髙いと言われたら食べ過ぎ、飲み過ぎに注意し、肉の脂身、揚げ物を減らし、甘い物を控え、コレステロールが多く含まれる食品はほどほどにし、野菜、キノコ、海藻をたっぷり食べて、日常生活の中で体を動かすことを心がけることでコレステロールが値を下げることが可能です。
別表のコレステロールを多く含む食品の摂取の方法による違いは、意外な食品にもコレステロールが含まれている事を参考にして頂き。1日の総摂取量を考えて摂取することの説明をしました。
その他魚介類、植物油の不飽和脂肪酸は動脈硬化の予防には有効だが、酸化し易いので抗酸化作用があるベーターカロテン、ビタミンC、ビタミンEなどの摂取が必要です。
また、コレステロールの合成や血管沈着を防ぎ、体外排泄を促進する食物繊維の摂取も重要である事を話しました。
更に忘れていけない大豆の効果(レシチン、サポニン、タンパク質など)について説明をしました。
最後にバランスの良い食生活としてコレステロールを気にし過ぎて食生活が偏ってしまうことが逆に健康を害することにも。食物にはそれぞれ何かしら体に必要な栄養素が含まれている。毎日の食事はいろいろな食品をバランスよく摂ることが大切です。と締めくくりました。