講演者:紺野 義男 会員
5月1日西老人会で、ガンを防ぐための新12か条につて、講演させていただきました。
「ガンを防ぐための新12ヵ条」は、国立がんセンターがカレンダーの12ケ月に合わせ、がん予防のための生活改善情報を提供されています。今回、「がんを防ぐための12か条」として発表されましたので少しでも多くの方にお伝えできればと思いこのテーマで講演をすることにしました。
死因別死亡数の割合のデータを基に、がん(悪性新生物)による死亡者が357,305人(28.5%)と一番多くその次に心疾患の194,926人(15.5%)、3番目が肺疾患で124,749人(9.9%)になっており、今や2人に1人が、がんを発病し、3人に1人ががんで亡くなる現状を伝えがん予防の重要性について理解していただきました。また、先日発表されました平均寿命と健康寿命の数値から少しでも長い健康寿命を獲得するためにもがん予防のための生活習慣の重要性を伝えたく、国立がんセンターが、提唱しています「ガンを防ぐための新12ヵ条」について1条から12条までをパワーポイント使い講演させて頂きました。
- 1条「たばこは吸わないように」
- 2条「他人のたばこの煙をできるだけ吸わないように」タバコには、発がん性物質が60種類も含まれており特に男性の死亡原因を押し上げており受動喫煙による死亡も6,803人と発表されており国の厳しい禁煙対策が求められています。
- 4条「バランスのとれた栄養をとる」脂肪の取りすぎは、死亡につながり、ビタミンとミネラルをなるべく多くとり偏食をしないのが重要と話しました。食事のバランスが崩れると大腸がんや乳がんのリスクが高まります。
- 5条「塩辛い食品は控えめに」平成13年には、塩分の摂取量が、12.1gから平成20年には10.9gまでに減っておりますが、日本食は低カロリー高塩分と言われていますので、日々の食塩摂取量には十分に注意をして頂くように話しました。
- 6条「野菜や果物は豊富に」野菜摂取不足は、以前より言われて来てます。長寿県の長野県は1日の野菜の摂取目標をクリアーしているといわれています。
- 7条「適度に運動」サルコベニアと言われる筋肉量の低下が高齢者の間で問題視されています。歳を重ねる毎に意識的に運動強度が大きい運動(レジスタンス運動)を行うことが大切です。頻繁につまづいたり、立ち上がるときに手をつくようになると症状がかなり進んでいると考えられ、積極的にトレーニングを行うことがその後の生活の質的な安定に大いに役立ちます。特につまづきは、当人や周囲が注意力不足のせいだと思い込んでいることが多いため筋力の低下が原因と気付かないことが多く、注意が必要です。
- 8条「適切な体重維持・新型栄養不足」栄養失調の指標になるのが、血清アルブミンです。血液がうまく循環するための浸透圧と、体内のいろいろなものと結合してこれを目的地に運ぶたいせつな役割をしているもので、その正体はタンパク質なのです。つまり、新型栄養失調とは、一口に言えば、タンパク質不足なのです。高血圧対策のためにコレステロール摂取を抑えようと野菜中心の食事にしている高齢者や、「粗食が健康にいい」といって肉類を食べるのを避けているお年寄りは結構多いもの。「高齢者の5人に1人は栄養失調」と言われる理由も、納得がいきますね。
- 9条「ウイルスや細菌の感染予防と治療」一度は、肝炎ウイルスの検査をされることを進め、ピロリ菌の除菌についても2月から保険診療で」条件付きですが受けられることをお伝えしました。
- 10条「定期的ながん検診を2次予防のがん検診を全員が受けましょう」40歳以上の方は、毎年胃がん検診、肺がん検診、大腸がん検診を更に女性の方は、隔年で乳がん検診と子宮がん検診を受けられるよう勧めました。
- 11条「身体の異常に気が付いたら、すぐ受診を胃がんの異常」やせた、顔色が悪い、貧血気味だ、下痢やおりものがある、咳が続く、食欲がない、などの症状に気が付いたら、かかりつけ医などを受診しましょう。
- 12条「正しいがん情報でガンを知ることから」科学的根拠に基づく癌情報を得て、あなたに合った癌の予防法を身につけよう。ガンは、治療の時代から予防の時代に代わってきました。がんの予防は生活習慣の改善で予防できるものと考えられます。
最後に、がんを起こす主な4つの要因を紹介しました。
① 塩分の取りすぎ(ミネラルのアンバランス)
② クエン酸回路の障害
③ 過剰な活性酸素の発生
④ 動物性のたんぱく質、脂肪、牛乳のとりすぎ
以上の内容で講演を終了しました。