講演者:両角 佳子 会員

7月13日、連日の猛暑にも関わらず、古唱会の皆さんには多数ご参加頂き、改めてお礼申し上げます。
私はファイナンシャルプランナーでもありますので、介護にかかる費用も資料としてレジュメに掲載しました。講演前から熱心に読んで下さる方にお尋ねしたところ、まだ介護保険は使っていないが、費用はとても気になるということで、皆さんの関心の高さが窺えました。

内閣府の「介護保険に関する世論調査」(平成22年9月)から、自分自身に介護が必要になった場合に困る点は、家族に肉体的、精神的負担をかけること70.0%、介護に要する経済的負担が大きいこと60.1%という結果を使って、やはり介護は本人だけでなく家族全体の、そして平均約4.7年という長期にわたる問題であるとお話ししました。

まずは介護保険のおさらいが大切です。初めに市町村へ申請して(地域包括支援センターで可)、次に調査員による体の状態の調査を受け、そして審査会では主治医の意見書も参考にされ、やっと認定が受けられる、そのため1ヶ月位かかってしまうことを説明しました。
健康管理士会 介護とお金認定は要支援1から要介護5までの7段階に分かれていて、それぞれに支給限度額があること、そして利用者の自立支援であることも再確認しました。在宅で受けられるービスはいろいろありますが、家庭にお世話をする家族がいないと、いたとしても介護度が重くなると非常に厳しい現状があることもお伝えしました。また、介護施設はそれぞれに特徴があり、またどこも満床に近く、特養では200人待ちという問題について、なぜそんなことになっているのかについてもお話ししました。施設入所はどうしても費用が高くつくので、少しでも長く自宅に居たいと思われる方も多いので、介護保険で利用できる住宅改修(20万円上限の1割負担)は、90歳まで暮らすことを念頭に置いてバリアフリー化をする方が良いこともお話ししました。

では、できるだけ介護状態にならないためにはどうしたら良いのでしょうか?寝たきりになる原因の1位は脳卒中ですので、日頃からの血圧管理とこまめな水分補給を心掛けましょう。2位は認知症、その予防には良く食べ、良く動き、たまには普段しないことにも挑戦して脳のトレーニングをしましょう。簡単な手遊びをやってみましたが、意外とできなくて大笑いでした。3・4・5位は高齢による衰え、関節疾患、転倒による骨折など運動器の問題ですので、毎日の運動習慣をぜひ継続してくださいとお願いしました。「入院したら足が衰えて歩けなくなる」という話は、太ももの筋肉が減ってしまうからです。健康管理士の方に、片足600gの重しを付けて階段を上ってみてもらいました。特に下りるときに手すりがないとバランスをとりにくいことがわかりました。日頃から筋肉を蓄えておく大切さをお伝えしました。

介護はなってみないとわからないから、だから何も準備できないと思われがちですが、決してそうではありません。その時にならないとわからないことは「本人の状態」と「家族の状況」です。でも事前に介護保険について知っておくことや、介護に対する自分自身の希望を家族に少しずつ話しておくことはできます。今できる事からやってみることをお勧めしました。『おいとまを いただきますと 戸を閉めて 出てゆくように ゆかぬなり生は』(斎藤史)の短歌には天寿を全うする覚悟と難しさがにじみ出ています。これからもお元気で、まずはこの厳しい夏、気を付けてお過ごし下さいますようお願いして終わらせて頂きました。