講演者:上原 道康 会員

当会に講演依頼が入ったとのことで、トップバッターとしてのご指名を受けやってきました。
依頼者は、埼玉県八潮市の身体障害者福祉センター事業で、市内在住で身体障害者手帳を有する方が対象ということでした。
責任者と何度かの打ち合わせ後、テーマは「健康と食について」ということになりました。
講演時間は休息をはさみ120分。20枚のパワーポイントを作成し、レジュメとともに資料として担当者へ届けておきました。がしかし講演当日参加者の中には視覚障害者の方がおられると言いうことで急遽、映像は中止しトークでの講演に切り替えました。
配布したレジュメは以下の通りです。

テーマ:健康と食について

おはぎ ぼたもち 違い 健康

1:「ぼたもち」と「おはぎ」に違いはあるの?
2:「まごはやさしい」から「こまごたちわやさしいこに」へチェンジ!
3:ご飯と味噌汁は相思相愛の中です

「ぼたもち」と「おはぎ」に違いはあるの?に関しては、講演日が3月18日ということもあり春分の日も間近でしたし、はじめは和やかに聞いていただきたいという考えもあり質問形式でスタートしました。

*「おはぎとぼたもちの違い」「何故大豆でなく小豆を使っているの?」「春はぼたもち、秋はおはぎ、では夏や冬にもお店で売っているおはぎはなんというのでしょうか?」
みなさん大変興味を待たれたようで、「帰ったらさっそく家族に言ってみるわ」という声も出ました。

*「まごはやさしい」から「こまごたちわやさしいこに」へチェンジ!に関しては、高カロリー主体の食事から低カロリー・高栄養素の食事に切り替えてみる提案をしました。その一例として「カタカナ食品」から「ひらがな食品」へのチェンジをお考えになってはいかがでしょうかということを話しました。その1例として、例えば「オムライス」を食べたいと思った時に、オムライスと同じ材料で作ることのできる卵かけごはんに様々なトッピングを付け加えることで、摂取カロリーを減らせ、多くの栄養素も摂れるはずです。またジュースを飲みたいと思った時には、手作りの麦茶の方が摂取カロリーはうんと低いです、と話すと皆さんも理解を頂けたようでした。
また朝食が健康のために欠かせないという話も織り込みました。20名少々の参加者の中では、数名の方が朝食を摂っていないということでした。
*ご飯と味噌汁は相思相愛の中です、に関しては、主食・副食(おかず)の話から始めました。
主食のご飯の栄養素には「リジン」という成分が少ないこと。リジンは必須アミノ酸でタンパク質構成のために欠かせないこと。慢性的に不足すると健康度が下がることなどを説明。それを補ってくれるのが、大豆(製品)でご飯と味噌汁や納豆という組み合わせは理にかなったメニューであることを説明しました。さらに大豆にはメチオニンという必須アミノ酸の成分含有が少ないので、冷奴や豆腐の味噌汁といったメニューにはメチオニン成分の多いかつお節を使うのが栄養学的にも満点をもらえるはずですということを聴いてもらいました。
参加者のほとんどが高齢者でした。
「自分で高齢者と決めつけると本当に年寄りになってしまいます。毎年歳を取ることを加齢といいますが、加齢は避けてとれないものです。誰にも平等にやってきます。しかし老化というものは、人それぞれに大きな違いがあります。毎日の生活、特に食生活を大切にして、適度な運動を加えると老化の進み具合は緩やかになります。いつまでも若々しいと見られるお年寄りになるよう、今一度毎日の食事を見直しましょう」ということを話し120分の講演を終えました。
新しい団体で最初の講師という機会を与えてくださった事務局はじめ当会の関係者各位には心よりお礼申し上げます。