講演者:手塚 典子 会員

10月21日(火)戸塚西公民館にて講演させていただきました。
膝関節を痛めている姑と骨粗鬆症の母の現在の生活をとおして、骨と関節の仕組み構造を話し、健康な骨づくりに何が必要かを考えていただきました。

健康な骨と骨粗鬆症
材木やセメントを用意しただけでは家は建ちません。腕の良い大工や左官さんがいて、鋸やトン
カチ、鏝などの道具がそろって初めて完成することを絵で示し、このことが骨づくりに似ていると、説明しました。大工や左官は酵素、鋸や鏝は補酵素であると。この補酵素がビタミン・ミネラルであり、棟上げされた家の骨組はまさに骨の骨組で、材料はタンパク質、コラーゲンです。ここにカルシウム(セメントや土)が塗られて出来上がる。

良い骨に必要なのがカルシウムだけではないということがわかっていただけたと思います。
変形性膝関節症の原因のひとつ、O脚が膝の半月板を痛める仕組みや、膝に水がたまる仕組みも絵を用いて説明しました。

椎間板ヘルニヤ、椎骨のずれやすべり症など骨の異常は、同じ姿勢、偏った姿勢を長時間また長期間続けることが原因です。時々逆方向に曲げるなどして体を正しい姿勢に戻す時間を作りましょう。関節は動かさなければ、徐々に可動域が小さくなり体は硬くなっていきます。206個の骨と関節は出来る限り全部動かしましょう。
太りすぎは関節を痛め、痩せすぎは骨粗鬆症のリスクを高めます。適正体重BMI22をめやすにしてください。無理しない程度に。

トイレ休憩をとり姿勢をただして、砂糖は骨になぜよくないのか、の話にうつりました。
ショートケーキ、あんぱん、大福の絵を用意して、5g入りスティック何本分の砂糖が含まれるか実感してもらってから、さて、この砂糖が体に入るとどのように代謝してエネルギーに代わるのか続けました。
でんぷんは口の中で唾液の消化酵素で消化が始まりますが、砂糖は一気に小腸まで行き消化吸収されて、いち早くブドウ糖が血液中に送られます。砂糖を沢山摂ると、ブドウ糖はドンドン血中に送り込まれます。すなわち血糖値が急上昇することになるのです。

血液中のブドウ糖の役目は、エネルギーになることですが、先ほどの大工の話と同じで酵素、補酵素がなければ、エネルギーに代わることはできないのです。この時補酵素となるのはビタミンB群です。運動不足などでエネルギーが必要なければ中性脂肪となって貯えらますが、B群が不足すれば、中性脂肪にもなりきれず(中性脂肪に代わる時でさえビタミンB群が必要なんです)血中で行き場をなくしたブドウ糖は?そう!ぐれてしまいます。手当たり次第にタンパク質にくっついて、質の悪いタンパク質にしてしまうのです。これがAGEs最終糖化産物といわれるものです。
これは、骨にも起こります。骨のコラーゲンに糖化が起こり質の悪い骨になってしまうのです。
白米を玄米に、白糖は黒糖に代えればB群は充分摂れます。玄米菜食、一汁三菜、代表的な日
本食で必要な栄養素が摂取できます。