講演者:南野和治 会員

7月22日戸塚西公民館で話をしました。猛暑の真夏日。20日が祭日の為毎月第3火曜日の講座日が1日ずれ本日(水曜日)に変更になりました。

今日はテーマである口の健康と認知症予防を大きな柱とし、前半では噛むことと唾液の効能について話をする。先ず冒頭で受講生の皆様に、口は何のためにあるのかという問題提示をし人間の生きがいの源である『食』つまり食べることが最大の目的で食べる力が衰えると途端に老化が早まることを説く。

咀嚼 口腔ケア

そして75歳以上の高齢者の死因の上位に「肺炎」があり、中でもそのほとんどが「誤嚥性肺炎」といわれていること。この大きな原因は噛まないことである。そこで「噛む」ことによる八大効果を、「卑弥呼の歯がいーぜ」の頭文字に沿って具体的に事例等を上げ説明する。しかし噛むということを歴史的にみると、現代は「噛まない時代」と言われている。
では私たちはいつ頃から噛まなくなったのか? その大きな原因として過去の二つの現象を見逃すことができない。先ず第一の事象は、終戦直後(昭和21年~)の「合成甘味料」の出現であり、人々は菓子やまんじゅうなどの甘いもの軟らかいものを口にするようになった。そしてそれに拍車をかけた現象が昭和30年代の「加工食品時代の突入である。その象徴が「インスタントラーメン」の登場だ、数々のインスタント食品が発売された、それらの特徴はおいしくて、食べやすい、軟らかい。かくして噛まなくてもいい食品が幅をきかせ食べ物を噛まなくなる食生活となった。
そして現在も私たちは噛まない時代に生きている旨を話し、次によく噛んだと言われる、歴史上の人物について、中でも彼の残した「健康十訓」、その第一に「1口、48回噛むこと」を実践し驚きの長寿と生命力を発揮した「徳川家康」について。さらに、生き抜く力(生命力)とあごの筋肉の発達(食べ物を良く噛む力)には相関関係ありを話す。続いて「唾液」のパワーについて、下記の事を力説する。
1、虫歯を防ぐ。2、細菌の発育を防ぐ。3、胃での消化を助ける。4、発がん物質の働きを抑える成分が含まれている。5、唾液の成分が全身に供給されて若々しい細胞を保つ。また脳神経の活性化、認知症の予防、改善。そしてこの人間の体液で大切な唾液(唾液量)を上げる(増やす)工夫についていくつかの手段を提供する。

ここで体のリラックスを兼ねて、受講生の皆さんと「椅子に座って出来る簡単な生活体操をする。さらに頭を休め柔軟にしょうという意図で「クイズで頭の体操」と銘打って問題を出し皆さんと考えながら解く。後半は、認知症防止の七つの生活習慣と題して具体例をもとに話を展開する。最後に認知症防止の替え歌を熱心な受講生の皆さんと一緒に歌って終了しました。