11月 5日 川口市立西公民館
11月19日 川口市立中央ふれあい館
小林 生央 会員
歳をとると咀嚼力も嚥下力も衰えます。大きな入れ歯を入れる人は口の中が狭くなった状態で咀嚼や嚥下をできるように慣れる必要もあります。私自身が3年前にその状況でスパゲッティを呑み込めずにのどにつかえた体験に基づいて、嚥下の力を鍛えることの大切さを冒頭にお伝えしました。
食物を咀嚼し、唾液とまじった食べ物は食道を通って胃に入ります。食べるためだけなら、口は食道につながっていればよいです。しかし、口は声を出す必要があります。口をパクパクするのでは声は出ません。息を吐きだす必要があります。そこで口の奥には咽頭部というところがあって、口、鼻、食道、気管をつなげる、塞ぐという働きをしています。
食べ物を嚙み、咀嚼するとき口と鼻、口と食道、口と気道は塞がっています。その時、鼻と気管がつながっていて呼吸ができます。嚥下は、ほんの0.5秒の間に起こります。咽頭部は鼻と口との間を塞ぎます。口と食道をつなぎます。口と
気管は塞がれます。このとき息はできません。もしもこの状態で食べ物がのどに詰まってしまったら呼吸ができない状態が続いてしまいます。餅をのどに詰まらせて窒息するという事故はこのようにして起こります。身近な人がのどに詰まらせたら、指を突っ込んで食べ物を出してあげる必要があるかもしれません。
嚥下機能の不具合は、もう一つあります。食べ物が気管に入ってしまい、肺で炎症を起こしてしまう誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎で亡くなる人の95%は75歳以上です。若い人ならば免疫力が十分にあるので、万一食べ物が肺に入ってもマクロファージが出動してばい菌を食べて排出してくれます。高齢になると免疫力が落ち、嚥下機能も落ちるため、誤嚥により肺炎になり死亡することになりやすいです。嚥下体操を毎日実践しましょう。具体的には舌を前後左右に動かしたり口の中で回す運動などを行います。