埼玉県健康管理士会 会員 佐藤 玲子

11月22日戸塚西公民館、スローライフ健康講座で講演しました。
健康維持には①運動②食事③禁煙。最後に薬の標語がありますがその中の②番目の食事を取り上げました。

  • 生活習慣病と動脈硬化の関係は?
  • 自分の適正(健康)体重は?
  • 私の1日の必要カロリーは?
  • バランスよく食べるには?の4項目について話を進めていきました。

生活習慣病と言われている高血圧症、脂質異常症、糖尿病などで病院に行くと先生は必ずと言っていいほど、「食事に気をつけて、バランスよく食べて、少し運動をして体重を落として様子を見てみましょう。薬はそれからでもいいから」と言われることが多いということは、痩せましょうと言うことです。

 それでは太ると何故いけないのか。太ってくると内臓脂肪が蓄積して体の中でいろんな変化が生じてくる。どのような変化が生じてくるかと言えば・血管を収縮させる物質が出てきて血圧が上昇。血圧の高い人はさらに血圧が高くなり高血圧症となり動脈硬化が進み脳血管障害、高血圧性の腎障害を起こすこととなる。コレステロール、中性脂肪が高い人は身体の中で脂肪合成が促進されて脂質異常症となり、動脈硬化が進み脳梗塞、心筋梗塞など脳血管障害、虚血性心疾患をおこすことになる。血糖の場合はインスリンが効きにくくなり、血液中の糖が使われなくなるインスリン抵抗性となり、血糖が上昇し糖尿病となり動脈硬化が進み糖尿病性の合併症(網膜症、神経障害、腎症)を起こすこととなる。高血圧、脂質異常、高血糖はすべて動脈硬化に結びつき最終的には命に関わる症状を起こしてしまうことが怖い。中でもコレステロールが引き起こす心筋梗塞、脳梗塞をマグネットを使用して説明。赤のマグネット・・善玉コレステロール(HDL)、青のマグネット・・悪玉コレステロール(LDL)、白のマグネット・・マクロファージー、黄のマグネット・・血小板。血管の中でのLDLが使われなくなって残ってしまうとHDLが残ったLDLを回収してリサイクルするために肝臓に戻す仕組み。さらにマクロファージー、血小板が出てきて血栓を作る仕組みを説明。
血液中にだぶついたLDLは血管内に取り込まれたり、血管壁にそのまま沈着してしまう。血液中に溜まったコレステロールは脂質異常の原因になり、この状態が続くと血管の内腔は狭まり、血管の壁が硬くなって血液の流れを悪くし、挙句の果てには血液循環をストップさせてしまう状態となってしまう。
LDLコレステロールが血管内に取り込まれる~LDLが酸化する~マクロファジーが酸化。LDLを取り込む~泡沫細胞プラーク(こぶ)になる(脂肪を大量に取り込んでお粥のように見える)~泡沫細胞が積み重なって血管が硬くなる~動脈硬化。動脈硬化が進むと血管の内腔が狭くなって血流が悪くなったり、泡沫細胞がはがれて血管の膜が破れてそれを修復するのに血小板が出来て塊ができる。この塊が血液の流れに乗って心臓のところで詰まれば心筋梗塞、脳のところで詰まれば脳梗塞。動脈硬化は、自覚症状がないままに進行してしまうので、動脈硬化を進めないためには生活習慣で増やした内臓脂肪を、生活習慣を見直すことで減らすことが大切です。
次に自分の適正体重、1日の必要カロリーは計算方法を説明し、個々に計算して数値を算出してもらう。バランスよく食べることと適量が大切ということを話し、1日600㌔㌍の食事の摂取方法を卵1個80㌔㌍で説明。牛乳、チーズ、豆腐、魚、肉、さつま芋、じゃが芋、バナナ、ミカン、ご飯、食パン、乾麺のうどん、そば、そうめん、油、アンパン、煎餅、柿の種など80㌔㌍の量を実物を提示しながら説明すると少なすぎて何も食べれないよ!との声あり。大丈夫!食べる方法あり。食べたら動く!簡単でしょう!
今話題のタニタの食事がこの1日1600㌔㌍で1食が500~600㌔㌍のメニューで出来ている。この少ないカロリーで満腹感を得るには野菜(イモ、カボチャ、レンコン、トウモロコシ、くわいなど炭水化物が多いものは除く)、キノコ、海藻類をたっぷり使用して量を増やすことがポイント。
健康維持には適量をバランスよく食べ、食べたら動いていつまでも元気で過ごしましょうで終了。