講演者:田村 欣也 会員
10月16日(火)に戸塚西公民館において「水と健康」のテーマで話をさせていただきました。
水から健康と言っても、健康は自分で気をつけるもので、体調が変だったら医者に診てもらい、バランスの良い食事と自分にあった無理のない運動を普段から心がけることが大事。そして、水は早めに、こまめに、一回ひと口です。夏と冬では飲む間隔や量は違ってきますが、早めに、こまめには変わりません。
何かをする前に、した後に一杯の水です。起きた時、運動をする時、入浴の前、お酒を飲んでいる時、寝る前など。
体の水は1日2.6ℓ必要です。そのうち飲む水は1.4ℓ、食べ物から0.8ℓなど。出る方は尿が1.5ℓ、不感蒸発が1ℓ など。この不感蒸発についてはTVでは隠れ脱水などと呼んでいます。普通の生活をしていて、600㎖が皮膚から、400㎖が呼気から自分が意識しないうちに出てゆきます。気が付かないうちに水分不足は進むのですと、まず最初に強調したのがこの点です。合わせて、のどの渇きは感覚の中で一番鈍感で、しかも年をとると尚更感じるのが遅くなりますから、のどが渇いたと感じた時は相当水分不足は進んでいます。
水は一度に飲んでも薄い尿が沢山、ミネラルとともに出るだけ。腎臓の病気の人は特に気をつけましょう。
あと8カ月もすれば、また熱中症の季節が来ます。来年は6月から気をつけましょう。毎年梅雨明けの第一熱波が発症のピークで8月半ばのお盆までが多いのです。それは暑さ慣れしていないからです。来年は5月くらいから、自分にとってややきつい運動をすることで、汗をかきやすい体にしましょう。あくまでも無理をしないでと熱中症対策を話しました。もちろん、扇風機併用のエアコンが熱中症予防の特効薬である事などをお話しすることは忘れませんでした。
ここで、高齢者が家の中でつまずいて転倒・骨折などしないように簡単なロコトレをやってもらい、後半は心筋梗塞や脳梗塞の発症の危険を少しでも減らすために夜寝る時や朝起きた時の水の効用の話に入りました。寝ている間に汗をかくので朝は血液が濃くなっていることや血栓ができやすく、心筋梗塞は起きてから3~4時間後に、脳梗塞は睡眠中と起床直後の発症が多いのです。そして、両方とも生活習慣病なので普段の生活が大事であり、ストレスや疲れで体調が悪い時に発症しますから、水を飲むことで発症の危険を少なくすることはできても防ぐことができるというものではないことを強調しました。
寝る前に水を飲んだ方が良いのですが、それは寝る直前ではなく1時間前で良いですし、お茶などは避け、余り沢山飲みますと、トイレに起きる回数が増え、転倒・骨折の危険も増しますから、特に冬は少なめが良いでしょう。
お風呂に入る前にも水を飲みましょう。暑い湯ですと沢山汗をかきますし、肩までつかると血液中の水分が膀胱に押し出されるので血液が濃くなります。また熱い湯ほど血圧の上下が大きく、血栓ができやすいのです。ですから冬は脱衣場を暖かくし、できれば温めの湯が良いのです。血液が濃くなったり血圧が上下したりで、めまいや立ちくらみ、そして心筋梗塞などの症状で湯船に沈み溺死する危険があります。ですから、風呂にはいる前や途中で水を飲んで下さい。事故も沢山起きていますと注意を促しました。