講演者:田村 欣也 会員
いろいろな方の長生きの秘訣で共通しているのは転んで骨折しない事です。頭もしっかりしていて、胃腸も丈夫なのに骨折したために寝たきりになったのでは悔しいですね。歩行は片足立ちの連続技です。それがうまくいかない時に転ぶのです。
①床の新聞などに滑る②敷居などの段差や差しっぱなしの掃除機のコ-ドにつまずく③階段の最後の段を踏みはずす―などで転びます。夜中のトイレも転びやすいです。特に年をとりましたら夜中にかかわらず、落ち着いて行動することが肝心です。また階段に手すりをつけるなどの対策も必要ですが、なによりも居間の整理整頓が一番大事です。さらにお風呂に入る時は片足立ちになりますから、やはり転びやすいですね。
転倒危険度チェック
- つまずく
- 階段を上がるのに手すりが必要
- 青信号で横断歩道を渡れない
- 片足立ちで靴下をはけない
- 1キロ続けて歩けない
- 2キロの買い物を持って帰るのがつらい。
ひとつでも思い当たるなら、転びやすくなったと思って下さい。筋肉や関節が衰え、バランス感覚などの機能が低下しているのです。
普段の生活では、車に乗ってばかりいないで、良く歩き、バスに乗り、電車に乗って出かけましょう。駅で、電車に乗り込むにはしっかり跨なくてはなりませんし、バスに乗るためには、40センチあるステップを昇らなければなりません。普段から足腰を鍛えるような生活を心がける事が大切です。転ばないように歩くために大事なことは背骨が緩やかなS字を描くように正しい姿勢で立つことです。その時両足の親指の付け根で体重を支えます。筋肉がしっかりついていないと正しい姿勢で立てませんから、日頃の“基本動作”で筋肉を鍛えるようにしましょう。そして、足を挙げ、つま先で力強く蹴って歩きましょう。
転ばないためには、なんといっても、太ももを鍛えるのが良いでしょう。最近インタバル速歩が注目を集めています。早歩きとゆっくりな歩きを原則3分づつ交互に繰り返し、30分から1時間、週4回以上実行するというものです。家でできる運動では、椅子に腰掛けて片足をまっすぐ伸ばしつま先を直角に立てて太ももを鍛える運動や、高齢者向けとして、机に手をのせて行う片足立ちやスクワットなども有効です。転ばなくても、腰や膝が痛いと歩かなくなり寝たきりになる恐れがあります。ですから、腰痛や、変形性膝関節症にならないように気をつけことも大事です。それには正しい姿勢で歩く事と太りすぎない事が大切です。歩かなくなりますと、筋肉や関節の機能は衰え寝たきりにつながります。また太らないようにと、高齢者が栄養不足になるような食事の仕方は避けなければなりません。どうぞ、しっかり栄養素は摂って自分の体調にあった運動を続けください。