講演者:手塚典子 会員

2月4日(水)西老人会で講演させていただきました。

健康な骨づくりに何が必要かを考えていただきました。

材木やセメントを用意しただけでは家は建ちません。腕の良い大工や左官さんがいて、鋸やトンカチ、鏝などの道具がそろって初めて完成することを絵で示し、これを骨づくりに当てはめて話しました。Fotolia_80376612_XS
大工や左官は酵素、鋸や鏝は補酵素であると。この補酵素がビタミン・ミネラルであり、棟上げされた家の骨組はまさに骨の骨組で、材料はタンパク質、コラーゲンです。ここにカルシウム(セメントや土)が塗られて出来上がる。

良い骨に必要なのがカルシウムだけではないということがわかっていただけたと思います。

60兆個あると言われる細胞はすべて、毎日の食事から摂った栄養素によって日々生まれ変わっています。栄養素が一つ足りないだけでも健康は維持できません。桶の板が一枚抜けていたり短いだけで、桶の水は溜まらないのと同じです。

太りすぎは関節を痛め、痩せすぎは骨粗鬆症のリスクを高めます。適正体重BMI22をめやすにしてください。無理しない程度に。

ショートケーキ、大福の絵を用意して、5g入りスティック何本分の砂糖が含まれるか実感してもらい、この砂糖が体に入るとどのように代謝してエネルギーに代わるのか続けました。

でんぷんは口の中で唾液の消化酵素で消化が始まりますが、砂糖は一気に小腸まで行き消化吸収されて、いち早くブドウ糖が血液中に送られます。砂糖を沢山摂ると、ブドウ糖はドンドン血中に送

り込まれます。すなわち血糖値が急上昇することになるのです。

血液中のブドウ糖の役目は、エネルギーになることですが、先ほどの大工の話と同じで酵素、補酵素がなければ、エネルギーに代わることはできないのです。この時補酵素となるのはビタミンB群です。運動不足などでエネルギーが必要なければ中性脂肪となって貯えらますが、B群が不足すれば、中性脂肪にもなりきれず血中で行き場をなくしたブドウ糖は、手当たり次第にタンパク質にくっついて、質の悪いタンパク質にしてしまうのです。これがAGEs最終糖化産物といわれるものです。血糖検査で調べている“ヘモグロビンA1c”はその代表的なもので、血液中で起こった糖化AGEsの値です。

これは、骨にも起こります。骨のコラーゲンに糖化が起こり質の悪い骨になってしまうのです。

白米を玄米に、白糖は黒糖に代えればB群は充分摂れます。玄米菜食、一汁三菜、代表的な日

本食で必要な栄養素が摂取できます。