講演者:田巻昌良 会員

秋のお彼岸の中日の前日9月21日(水)川口市中央ふれあい館の「若返り健康講座」で講演をさせていただきました。
近年「歯と口の健康」が全身の健康にも大きく関係していることが様々な研究などで判明しています。偶然ですが「歯と口」をテーマにした講演が大嶌会員によって6月に当館で行われました。似たようなテーマではありましたが私なりの切り口で話すことを心掛けました。

毎日を元気に暮らすためには体力の低下や日常生活の能力低下を防ぐために運動などで体を動かすことも大切だが、積極的に社会参加することで高齢になっても自立を維持するような活動が必要。活発な活動にディスカッションは必須で「歯と口」に自信が持てないと何かと億劫になり参加そのものを避けてしまいます。手や足腰が不自由にならないように注意すると同じように「歯と口」のケアもとても大切です。

「歯と口」は食べ物を摂り入れ全身へ栄養を補給するための入口であるとともに健康への入口でもあります。
全身の健康への入口である「歯と口」の手入れを怠ると口の中が不衛生になり、歯垢、歯石が溜まり口臭が発生、唾液の分泌も減少し併せて言葉も聞き取りにくくなったりします。口臭の発生は言葉の発音などとともに人と話したくなくなったり出会う機会を減らしたりすることから認知症へ向かうことにも繋がり、最悪の場合歯周病の発症を招くことにも繋がります。

「歯と口」の手入れを怠り「口の寝たきり予備軍」にならぬよう、日常生活の質を低下させない習慣を続けることをお願いしました。

「歯と口」のケアをしっかり行った時の効果はどうか?味覚機能が改善され食べ物もしっかり噛むことが出来るようになることから食べることが楽しくなり、低栄養の改善にも繋がります。また、しっかり噛むことが出来るようになることから唾液の分泌も増え、口の中も清潔に保つことが出来るようになり誤嚥も起きにくくなり、感染症へもかかりにくくなります。ケアを怠ると最悪歯周病の発症を招くことに繋がりますが全身の健康にも大きく関係し様々な病気にも関与しているとして、
心臓血管疾患、糖尿病悪化、妊娠・出産の影響、
認知症への関わり、感染症への関わり、骨粗しょう症への関わり
などについて解説しました。

日常生活に於いて意識することはあまり無いのですが唾液のすごい働きについていくつか紹介しました。特に強調したいこととして唾液は口の中を中性に保ち細菌の増殖を抑える効果と、虫歯を予防する素晴らしい効果があることを知っていただきました。

最後に、虫歯、歯周病を防ぐために家庭で出来る「歯と口」のケアについて歯形の模型、歯ブラシ、歯間ブラシ、タフトブラシを使って歯の手入れについて実演し、私の経験と併せ紹介しました。一人でも多くの方に紹介したことを実行して戴きたいと願っています。