講演者:南野和治 会員

7月15日古唱会で話をしました。暑さ厳しきおりですが、西公民館の会場は古唱会の皆さんの熱意と真摯な受講態度で暑さも忘れるひとときでした。前半は噛むことを通して口の健康、機能、役割について、後半は認知症防止について話をしました。

何と言っても口は食べる事が最大の目的でありその食べる力が衰えると老化が早まることを強調し、中でも噛むこと(咀嚼)、飲み込むこと(嚥下)の重要性を述べ、そこでお口に関心をもっていただきたいと考えてクイズを提出し口についての理解を深めました。
次に、現在の日本人の三大死因の第三位である肺炎の中でも特に高齢者に多い「誤嚥性肺炎」の大きな原因に噛まない・飲み込む力の衰えをあげ、本題の噛むことの効果を事例を交えて話しました。例えば噛むことで満腹中枢が刺激され満腹感を感じ過食(食べ過ぎ)を防ぎ肥満防止につながる。また、噛むことで出てくる唾液が食べ物に含まれる発がん作用を抑制、打ち消す働きをし、がんの予防にもなる。さらに唾液の殺菌作用により歯の病気である虫歯・歯周病を予防する。加えて脳の活性化ひいては認知症防止になるなどの効果を話しました。

そして話題を変えて、「噛む力」と「生命力」とは相関関係にあると言う説を提示し、よく噛んだ歴史上の代表的人物として徳川家康をあげ、彼の体力・生命力を培い維持した源の一因である噛むことの大切さを強調しました。そこで口の働きを高めるための健口体操として、パタカラ体操・舌だし体操の二つを会場の皆さんと一緒に行いました。更にリラックスを兼ねて肩こりをやわらげる簡単な体操を皆さんとしました、後半は認知症防止について話を進めました。
ライフスタイル(日々の生活)を少し心がければ認知症から身を守ることができると話し、下記のような生活実践を具体的な事例をあげ紹介、話を展開しました。
1、散歩する(歩く)ーーー脳への血流が増加、免疫力向上、できれば途中でスケッチしたり、俳句を創ったりしながらの散歩はより効果的。
2、料理をしようーーー感覚総動員(視覚、味覚嗅覚、触覚等)さまざまな感覚を使う。さらに献立を考える(創造力)食材購入(計算力)
3、人とつきあうーーー孤立化しない、仲間、友人と話そう。一人暮らしの老人でも他の人(友だちなど)とつきあい、話をしている人、そして自立している人は認知症にならず長生きしている人が多い。
4、日記を書こうーーー今日あった事、感じたことを3~4行でもよい。日記を書くことで毎日(1日)のけじめがつき認知症予防となる。
5、常にときめきを!ーーー感動は心のビタミン。新しいことに挑戦し、趣味や生きがいに熱中、ワクワク、ドキドキ、ときめくことが大事。「異性への関心とときめきこそが認知症防止の最良の秘訣」(医師の話)。
最後に、認知症防止の替え歌を皆さんと歌いまとめとしました。