講演者:大嶌 悠美生 会員

8月1日(水)に川口市西老人会にて、口腔ケアの大切さについてお話をさせていただきました。

当日は暑さが厳しいにもかかわらず大勢の方々が出席なされました。埼玉県健康管理士会の4名の方に応援をいただきました。
内容は人生100歳長寿を実現するには何よりも健康であることです。健康な体を維持するには多くの歯を残して、口の中を清潔にする口腔ケアの大切さを話しました。
歯を失う二大原因は虫歯と歯周病です。特に歯周病については注意が必要です。それは歯周病の最大の原因は「プラーク(歯垢)」です。プラークはただの食べかすだけではなく細菌の塊だからです。
☆歯周病の症状は…
歯肉炎(歯ぐきが腫れたり、出血したり、口臭がある)と、歯周炎(炎症が歯周組織までおよぶ)。
歯槽骨が炎症を起こすと歯槽膿漏です。歯周病菌は歯と歯ぐき(歯肉)の間の歯周ポケット(歯肉溝)に入り込み炎症を起こします。50歳以上では約8割の人が歯周病菌をもっているといわれています。
☆歯周病がかかわる病気としては…
呼吸器や肺の病気、動脈硬化の進行、脳梗塞のリスクを高める、糖尿病の悪化、感染性心内膜症、骨粗しょう症、低体重児早産などがあります。歯周病の脅威は口の中だけにはとどまりません。
また喫煙者はタバコのヤニにより歯垢が付着しやすくなるため歯周病になりやすいので注意が必要です。
☆歯周病菌は…
歯垢で繁殖するため歯垢を取り除かなければなりません。歯垢をそのままにしていますと数ヶ月(人によっては2週間ぐらい)で歯石になってしまいます。歯周ポケットに歯石がありますと歯と歯肉が密着しにくくなり、そこに新たに歯垢がたまっていくことになります。
☆高齢者の口腔ケアは…
口の中を清潔に保つ、歯垢が付かないようにする、ブラッシングや舌磨きを行う、食後は入れ歯を洗う、入れ歯をしたまま寝ない、定期的に歯科医院で歯の検査とメンテナンスを受けるなどです。
☆歯の磨き方は…
フォンズ法やバス法等ありますが、よい方法として歯ブラシの毛先を歯と歯の間に差し込むようにして磨くことをおすすめします。そして1日1回7~8分の時間で丁寧に、それも夜寝る前に磨きます。歯垢は再びできるまでには24時間かかることが分かったからです。
また就寝前の歯磨きは虫歯予防にも効果的です。歯ブラシは毛が少なく毛が長くヘッド部分が小さいもの、そのほか歯間ブラシ、デンタルフロス、舌ブラシなどを使用します。


☆歯周病の予防改善には…
よく噛む習慣をつけ30回噛むことです。これにより唾液の分泌を促します。脳内の血流も増加して脳の活性化にもつながります。また歯ごたえのあるもの(リンゴ、キュウリ、セロリなど)を食べる習慣をつけたり、食後に緑茶を飲むのも歯周病予防(カテキン:抗菌作用)になります。
☆口腔の老化を予防するには…
運動(有酸素運動)・会話(認知症予防、口輪筋も鍛えられる)・笑う(表情筋が鍛えられる)です。
くちびる体操、ういうい体操、言葉の体操、舌の体操等を実際に行ってみました。
自分の歯で、美味しく食べて、おしゃべりして、体を動かして、自立して元気で長生きしましょうで話を終えました。