講演者:手塚 典子 会員
3月16日(土)、古唱会で、初めての講演をさせていただきました。
1.人はなぜ病気になるのでしょう?
生活習慣病を予防する3つの柱は、バランスの良い栄養・適度な運動・充分な睡眠です。
では、栄養バランスの良い食事とは?(挿絵を見ながら)玄米ごはん・根菜の煮物・青菜のおひたし・豆腐とわかめの味噌汁・焼き魚に代表される、たくさんの食材を使った日本食です。
食の欧米化によって生活習慣病が増えてきたといわれますが、問題は“肉と砂糖の摂りすぎ”にあります。
2.砂糖を摂りすぎると、どうなるのでしょう?
私たちの体に必要なエネルギー源となる3大栄養
素は、タンパク質・脂質・糖質です。が、タンパク質には、体すべての細胞の核を作るという役目があり、脂質にはその細胞の膜をつくるなどの役目があるのです。糖質だけが最初に、ブドウ糖に分解されてエネルギー源となるのです。私たちは息をしているだけでもエネルギーが必要なのですから、糖質はしっかり摂る必要があります。
糖質のうち、米や小麦の主成分であるでんぷんは分子がたくさん繋がっているので、消化吸収に時間がかかるため、血糖値が急上昇することはありません。が、砂糖は分子が2つだけでできており、簡単にブドウ糖に分解され血液に取り込まれます。そのため砂糖を過剰に摂取すると急上昇して高くなった血糖値をさげるため、インスリンというホルモンが膵臓からドンドン放出され、血糖値が下がりすぎ低血糖の状態になります。
3.低血糖とは血液中のブドウ糖が少ない状態ですから、脳の栄養であるブドウ糖が脳に届かないことになります。そのため、頭痛・めまい・ふらつき・イライラ・精神不安定・感情のコントロールができない・攻撃的になる・ひきこもりなどの症状があらわれ、この状態を低血糖症といい、ウツやアルツハイマーの原因になるといわれています。
また、ブドウ糖はエネルギーに変わるときにたくさんのビタミンB群を必要とするため、精製されてビタミンミネラルがなくなっている白砂糖は、ビタミン不足を招くことになり、精神の安定を欠く原因にもなっています。
砂糖の原料であるサトウキビから作られビタミンミネラルの豊富な黒糖、きび糖、砂糖大根からつくられたてんさい糖の実物を見ていただきながらちがいを説明しました。
最後に、WHOが示している糖の推奨摂取量を計算し
(50g)、料理で半分使うと、残り25gでどれくらいのお菓子がたべられるか、ペットボトル飲料にどれくらい砂糖が含まれているか、ホワイトボードに用意した絵の中から皆さんにあてていただきました。