講演者:小林 英二 会員

今回は会員に積極的に講演に参加して頂くよう、三択の質問を提示し、その解説をするという形式で話を進めた。
「元気で長生き健康法~シニアこそ運動を」

質問1「ピンピンコロリ」の意味は?
平均寿命と健康寿命の差、男性約9年、女性約13年は要介護や寝たきりの期間である。健康寿命を維持し、寿命にほぼ一致するとき「ピンピンコロリ」が実現する。
質問2 高齢者はなぜ運動をする必要があるか?
私たちが移動したり、様々な動作ができるのは筋肉のおかげである。その筋肉量は20代を頂点として、それ以降急速に低下する。特に下半身の筋肉量の低下は著しい。70歳頃の筋肉量は、30歳の頃と比べると約30~40%低下してしまう。
高齢になり筋力が低下すると運動器を傷害したり、転倒骨折などによって寝たきりになるリスクが高まる。
質問3 筋肉量低下が要注意と判断されるのは?
次の状況が1つでもあれば要注意である。
①階段の手すりを使わないと2階へ上がれない。
②片足立ちで靴下を履けない。
③椅子に座って、片足立ちができない。
④1分間の片足立ちができない。
各自の筋力低下が要注意の段階にあるか否かをチェックをするために③と④を実際に行っていただいた。
質問4&5 歩く時、膝関節には体重の何倍くらいの体重がかかるか? また、変形性膝関節症の原因は?
歩く時には体重の約2~3倍、階段の上り下りには体重の約5~7倍、走ると体重の約10倍の負荷が膝関節にかかる。筋肉量が減少すると下肢の筋肉は体重による負荷を支えきれなくなる。そういう状態が長期間続くと膝関節の軟骨がすり減り、痛みが出るようになるのが変形性膝関節症だ。最終的には関節の上と下の骨が直接ぶつかり合い、激しい痛みが起こる。そうなると、手術で人工関節にする必要がある。
質問6 日本人に最も多い膝を痛める脚の形は?
膝を痛める脚の形はO脚で、原因は骨盤が傾いたり、太ももの内側の筋肉の衰えなどによる。
最後に、膝や腰回りの筋肉を鍛え膝や腰を守る、次のような運動を紹介した。
・スクワット(太ももの筋肉を鍛える)
・仰向けor椅子に座っての片足上げ[膝痛の人]
・仰向で腰を浮かせる(大臀筋や腰回りの筋肉)
・うつ伏せで上半身を上げる(背筋)
・横向きに寝て片足横上げ(脚の外側の筋肉)
・椅子に座り脚挟み運動(脚の内側の筋肉)