講演者:手塚 典子 会員

3月15日古唱会で講演しました。難しい症状名が多い部位なので、出来る限り噛み砕いてわかりやすくゆっくりとを、心がけ、話しかけるというスタンスで進めました。
骨粗鬆症による2大骨折である、腰椎圧迫骨折、大腿骨頸部骨折を理解してもらうため、用意しておいた大腿骨の絵と脊柱(背骨)の絵を使い、それぞれの骨の特徴から始めました。
大腿骨は人体の206個の骨の中で一番大きく丈夫な骨です。一般的に、骨折しても、骨には優れた再生能力があり、骨折前よりも強い骨ができるといわれます。
背骨は一本の骨ではなく24個の椎骨、すなわち7個の頸椎と12個の胸椎5個の腰椎と、仙骨と尾骨からなっています。これらの骨の後ろにある脊柱管には神経の束、脊髄が通っています。背骨は、肋骨とともに心臓や肺を守っていますが、神経を守るという役割もあるのです。また椎骨と椎骨の間には、クッションの役目をする軟骨組織の椎間板があります。高齢になると背が低くなるというのは、椎間板の弾力がなくなることが第一の原因です。

健康管理士
骨粗鬆症については、母の体験を交えながら話しました。母は重い鉢を持ち上げ移動したことが原因で、腰椎を圧迫骨折し、その時初めて自分が骨粗鬆症であることを知ったのです。あらかじめ骨密度が低いことを知っていれば、大きな鉢を一人で持ち上げるなどしなかったかもしれません。
数年後、転んで大腿骨の頸部を骨折してしまいます。頸部というのは骨盤の中に入って股関節を形成している部分です。ここは骨の中央部とは異なり、なかなか自力で再生するのは難しく、寝たきりになる確率が高いのです。母もこの時から一人で生活することはできなくなりました。
骨粗鬆症を予防するには、食事・運動・日光浴が必要です。特に食事ではカルシウムだけでなく、マグネシウム、ビタミンD、ビタミンKそしてタンパク質を摂ることが必要です。大豆食品にはこれらすべてが含まれており、また大豆に含まれるイソフラボンは、閉経後に減ってしまう女性ホルモンのエストロゲンと同じ働きをするので、毎日摂り入れることをおすすめしました。
痩せている事は、骨に負荷がかからないため、骨粗鬆症のリスクになります。骨を強くするためには、骨に負荷をかけることが必要ですので、片足立ちになるだけでも痩せている人には有効です。しかし、太っている人は、その体重の2倍の重さがかかると、膝関節を痛めることに繋がります。痩せすぎても太りすぎても健康を害するということです。何人かの(体格指数)BMI22前後の理想体重を計算しました。
最後に、白砂糖はカルシウムの吸収を悪くするので摂らない方がいい、ということに関して、いくつかの質問を受けました。