講演者:佐藤衣代 会員
4月5日に西公民館・若返り講座を終えて
「お口の衛生と体の健康 ~オーラルフレイル~ 」というタイトルで、歯を磨く口腔衛生を含め、口腔ケアに内容を拡大して口腔の疾病予防と健康保持・増進の役に立つことを願って話をさせていただきました。
今回は口内の歯、舌、あご、ほおなど各部の機能に注目しました。口には、呼吸する、言葉を話す、顔の表情をつくるなど4つの機能があります。噛むことの効用は「ひみこの歯がいーぜ」の標語を用いて説明しました。ドライマウスの予防、むせと誤嚥性肺炎、歯を原因とするお口の変化、そして歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシなどを使って歯を衛生的に保つことや舌の手入れについても触れ、特に夜は丁寧に磨いて細菌の温床にならないようにすることの大切さを説明しました。
歯周病菌と病気の発症、歯周病予防として6つのポイントを挙げました。その中の一つに「食後に爪楊枝は使わない」を挙げましたが、会長から「爪楊枝の使用を勧める歯科医もいるから、使わないように言い切ってはいけない」と注意を受けました。個人の一端からの説明が埼玉県健康管理士会の見解として受け取られることを避けるためです。楊枝に関しては完全に思い込みで話してしまったので反省しています。
さて、いつまでもおいしく、楽しく、食べ続けられるためには「オーラルフレイル」にならないように日々、注意することが私たちの年齢では特に大切といえましょう。オーラルフレイルのサインには、①活舌が悪くなる、②わずかなむせ、③食べこぼしが増える、④噛めない食品が増えること が挙げられます。このフレイルのサインが出ないように、まずは歯磨きをすることが必要であり、セルフケアと定期的なプロフェッショナルケアが大切です。食前に唾液腺マッサージをすること、こまめな水分補給やうがいもフレイル予防だけではなく、講演をスムースに進めるためにも口内が潤っていることは大事なです。
ここまでは理論でしたが、これ以後は実際に「食べトレ体操」をして頂きました。舌先でほおの上下運動や歯肉部を左右にマッサージをして食べこぼしを防いだり、明るく豊かな表情をつくるための舌の運動が重要で、習慣づくように意識的に練習する必要があります。また、柔らかい物を好むようになるという会話はよく聞きますがそれは年齢に従って歯自体の強度が弱まることもあるのであまり硬いものは噛まないほうが良い、と説明している書籍もありました。ところで、最近の外食店はとかく甘い味付けであったり、柔らかいものが多いような感じがしますがいかがですか。
講演時間の15分位を食べトレ体操に充てました。口、あご、ほおなどを動かしてから「パタカラ」体操を二人で組んでやっていただきました。笑顔あり、真剣な表情ありで皆さんが協力してやってくださいました。
重田さんにプロジェクターの点検と稲田さんには当日の会場での細かい調節などをしていただいて心丈夫でした。