10月20日  芝公民館

佐藤衣代 会員

食欲の秋になり歯の大切さをお伝えしました。丈夫な歯を維持したいものですが歯を失ってしまうこともあり、その原因の第1位は歯周病、第2位はむし歯です。

歯周病は歯に磨き残しがあると歯垢(プラーク)という細菌の集まりが歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)に溜り、繁殖することで起こる感染症であり歯茎が赤くブヨブヨしたり出血するのは菌が産生する毒素による炎症です。歯垢をほっておくとやがて石灰化し歯石へと変わり、悪化すると歯槽骨(あごの骨)が溶け、歯を支えられなくなり歯が抜けることになります。

むし歯も磨き残しに虫歯菌(主にミュータンス菌)が付着し、やがて酸を作り、歯の成分であるカルシウムやリン酸が溶けて穴が開いてしまいます。これを脱灰といい、唾液によって溶け出したカルシウムやリン酸を再び歯に取り込まれる再石灰化が起こり修復されますが初期の段階に限ります。

さらに、歯を守るには「ダラダラ食べ」「ダラダラ飲み」をしないことです。お口に物が入ると酸性に傾きむし歯になりやすい状態に変化して咀嚼 口腔ケアしまいます。食後は食べ物、飲み物を口にしないことが肝心です。ここまでは歯の疾患でしたが歯だけにとどまらず全身の病気に影響していることが分ってきました。糖尿病、認知症、感染症、寝たきりになるリスクなどが挙げられます。

さて、美味しく食事をしたいに端を発した話ですが美味しく食べるには噛むことと飲み込むことがスムースにできなければならず、お口の周りの筋力が衰えないように唾液腺を刺激したり、口腔機能を向上させるトレーニングも日常こまめにするとオーラルフレイルを防げます。

まとめとして

①セルフチェック:家庭での歯磨き習慣

②プロフェッショナルチェック:歯科医による定期的な歯科検診

③食生活:健康な歯を維持するためのバランスの良い食生活の大切さをお伝えしました。