6月21日
川口市立新郷公民館
小林 生央 会員
緑内障は視野が欠損し、放っておくと失明に至る病気です。20代、30代の若い人でも近視が強い場合には緑内障になる可能性があります。専門医の診察を受けて眼底検査を含むいくつかの検査によって緑内障と診断されます。早期発見して治療を開始し継続すれば失明に至ることを回避できます。視野の欠損が大きくなってから緑内障とわかった場合には失明を覚悟する必要があると言われます。片方の目に視野の欠損が生じてももう一方の目でカバーするのでなかなか視野の欠損を自覚できず発見が遅れがちです。
緑内障の治療には点眼薬が用いられますが視野の欠損を回復するものではなく、眼圧を正常値10~20mmHgにコントロールすることを目的とするものです。眼圧が高いと緑内障が進む可能性が高いからです。
夏祭りの屋台で売られる水ヨーヨーと同じことが眼球内で起こっています。水ヨーヨーの水に当たるものが房水と呼ばれるものです。房水は代謝機能と眼圧調整機能を持ちます。緑内障の治療に用いられる点眼薬のはたらきは、房水の産生か、房水の排出のいずれかをコントロールするものです。これにより眼圧を正常値に近づけようとするのが緑内障の治療薬です。一日に一回の点眼を長期間にわたり継続することで眼圧のコントロールを辛抱強く行うことが求められます。
私の場合、緑内障と診断された時、眼圧が22mmHgでした。二年間点眼薬を続けて現在は眼圧が15mmHg程度になっています。
日本人の場合、緑内障と言われる人のうちの三割程度が、正常眼圧での緑内障です。眼圧が正常であっても安心できないことに注意が必要です。
眼科医に相談しつつ長く付き合うのが緑内障です。少し良くなったからと言って、自分の判断で点眼薬を休んでしまったり、通院を怠ったりすると、失明のリスクがあります。