7月3日
川口市立西公民館
小林 生央 会員
今日は身近な人との人間関係からくるストレスについて解消法をお伝えします。
野生動物が持つ情動というものを人も持っています。情動は、目の前に自分以外の動物が現れた時に、敵か味方かを判断し、敵ならば戦うか逃げるかを瞬時に決めるための直感です。野生動物はこの「情動」のおかげで生き延びることができます。
人が誰かと接するときにその相手を味方と思えない場合にはイヤな気分、不安、恐怖、怒りなどを覚えます。これは情動の働きです。この気分を解消せずにそのままにしておくと、動悸、冷や汗、震え、息苦しさなどの身体の変化が起こり、その次には、外に散歩に出る、カラオケに行く、酒を飲むなどの行動の変化が起こる可能性があります。
人は野生動物よりも賢いはずですから、最初の情動の段階で解消し、身体の変化や行動の変化にまで至らないようにしたいものです。そこで役立つのが「ものは言いよう、考えよう」というやり方です。後ろ向きの考えや感情を前向きの考えや感情に転換するものです。
例えば、あの人は愛想がない、と感じるとき、愛想を周りに振りまく暇がないほどに何かに集中し、真面目に仕事をしているのだと捉え直してみることができます。
あの人、イヤな人。と思うとき、私を成長させてくれる鏡だ。私の中にもきっと他人にイヤだと思わせるものがあるんだわ。と思えたらしめたもの。
あの人たち、大声で会話していてうるさいわ。と思ったら少しその会話の内容に耳を傾けてみましょう。その会話に途中参加できるかもしれません。新しい人の輪に入ることができたと思えたら前向きな考えに転換できることでしょう。
ストレスの早期解消には、後ろ向きの考えを前向きな考えに転換することが大いに役立ちます。当事者としてではなく第三者の感じ方を探ってみることが秘訣です。