8月21日
川口市立中央ふれあい館
中鉢芳子 会員
本日は「肺炎」と言う大きなタイトルです。
通常の講演ではレジメの項目ごと的を絞り「感染性肺炎」「誤嚥性肺炎」「間質性肺炎」と単独講演しますが本日敢えて1本のタイトルにしたのは、厚生労働省発表の「死因別死亡者数」への着目です。
2023年発表では1位:悪性新生物(がん)2位:心疾患 3位:老衰 4位:脳疾患 5位に肺炎 続いて6位に誤嚥性肺炎でした。「えっ、誤嚥性肺炎って肺炎に含まれないの?」と感じる方が多いはずです。結論から申し上げると誤嚥性肺炎も肺炎です。では何故厚生労働省は分けて集計しているのでしょうか? 実は平成28年までは1本の「肺炎」で発表していました。ところがこの肺炎死亡者数が1970年代を底辺に毎年増えて来ました。懸念した厚労省は、統計分類の改正では病気原因の「病態」に着目し平成28年に施行しました。すると翌年から肺炎も誤嚥性肺炎も死亡者数が大幅に減少したのです。よって本日は基本を知る事で皆様の意識が肺炎予防や健康維持に繋がると考えて、比較の為に1本にしました。
まず発生場所で病名、予後、薬、対応がそれぞれ変化します。原因不明で予後が悪いとされる「間質性肺炎」でも、アレルギーの様に羽毛やカビなど原因が分かれば取り除く事で体調が回復する事も有りますので、医師の指示に従って下さい。
一番発症が多い「感染性肺炎」では抗生物質の耐性菌の話やワクチン接種の重要性をお話しし、対策として手洗い、マスク、消毒をお勧めました。
また一番死亡者数の多い「誤嚥性肺炎」では「食事」「姿勢」などのアドバイスや逆流性胃腸炎との関連をお伝えし、発声練習や舌の運動を皆様で一緒にしました。
川口市保健衛生課の「肺炎球菌ワクチン」に関する資料提供を提示し、予防薬ワクチンにも簡単に触れましたので、皆様の肺炎への理解が深まったと思います。