4月 2日  川口市立西公民館

4月23日  川口市立中央ふれあい館

       両角 佳子 会員

「おいしく食べてすっきり出そう」という講演をさせて頂きました。というのも高齢者のおよそ7割が便秘に悩まされているからです。高齢になって便秘しがちになる理由には、腸が便を送り出す筋力の衰えがあります。また、食事量が減ったり、やわらかいものに偏ったりして、食物繊維摂取量が減るのも理由の一つです。水分摂取量も減り、外出や運動量も少なくなることでも腸の動きが悪くなります。さらに腸内細菌のバランスも加齢で変化します。

便秘を予防するには水分を多めにこまめにとりましょう。朝1杯の水で腸に刺激を与えるのも良いでしょう。ただし朝の口の中は細菌がたくさん繁殖しています。先に軽く歯磨きやうがいをしてから水を飲む。その後しっかり朝食をとりましょう。そして朝食後は必ずトイレに行く習慣も持ちましょう。「胃-大腸反射」が起きやすく、蠕動運動(食物を外に運ぼうとする動き)が促され便意を感じやすいタイミングです。食事内容は食物繊維を多く含む野菜、海藻、キノコ、果物など、まんべんなく食べるようにしましょう。そして腸内環境を整えるには、発酵食品、ヨーグルトや納豆、味噌、キムチ、ぬか漬けなどに含まれる有用な細菌もとるよう心がけましょう。野菜や海藻類の食物繊維は、腸内の有用な細菌のえさとなり、その増殖を助けてくれます。適度な運動も必要です。

私たちの腸は単なる消化器官ではなく、「第二の脳」とも呼ばれるほどの多くの神経細胞を持っています。そのため脳と腸は自律神経などを介して互いに情報をやり取りして体を管理しています。ストレスを感じると自律神経のバランスが崩れ、下痢や便秘など腸内環境の変化を引き起こすこともあります。逆に腸の不調がメンタルコンディションを左右することも健康な腸  腸壁には神経の繊維あります。さらに腸には全身の7割ほどの免疫細胞が集まっており、私たちの健康状態に大きな影響を与えています。

便秘で病院にいくなんて大袈裟だと思わずに、1~2週間続く場合は我慢せず、内科にかかりましょう。