6月4日
川口市立西公民館
西山 治子 会員
梅雨は、体の重だるさや倦怠感、頭痛、むくみなどの不調を感じやすい時期です。私たちの身体は、常に季節や気温の変化に影響を受けています。東洋医学の視点から、梅雨を元気に過ごすための薬膳(食養生)と生活養生についてお話しました。
薬膳とは、「薬食同源」「医食同源」を基に食材が持つ効能を活かして健康維持・増進や病気予防に役立てる食事のことです。病気になる前の「未病」の段階に健康な状態へと身体を整えていきます。スーパーで買える食材で、ご家庭でも取り入れられるおいしい料理です。
梅雨は一年で最も雨が多く湿度が高く、気温の変化も大きいのが特徴です。東洋医学では、梅雨の不調の原因となる邪気を「湿邪(しつじゃ)」と呼びます。湿邪は五臓の「脾(ひ)」(消化器系)を弱らせやすく、体の重だるさ、頭痛、むくみ、食欲不振、軟便・下痢、湿疹、口内炎、気分の落ち込みなどの不調を引き起こしやすくなります。
薬膳で「湿邪」対策!3つのポイントとおすすめ食材を提案しました。
- 胃腸(消化器系)の調子を整える: 米、豆類、芋類、キャベツ、きのこなど
- 体内の余分な湿を取り除く: はと麦、とうもろこし、豆類、瓜類、海藻類など
- 気の巡りを良くし消化を促す、または体を温めて湿を発散させる:
・気の巡りを良くし消化を促す: 三つ葉、玉葱、柑橘類、ジャスミン茶など
・体を温めて湿を発散させる: 葱、大葉、みょうが、スパイスなど
旬の食材は身体を整える働きが強いので積極的に取り入れましょう。蒸し暑いと冷たい飲食物や生ものを取りがちですが、これらは胃腸に負担をかけるので控えめにしましょう。
ご家庭で簡単にできる薬膳料理とその取り入れ方をご紹介しました。また、湿邪から身体を守るための生活養生についても触れました。梅雨の養生は、この時期の身体を整えるだけでなく、暑い夏への準備にもなります。季節に寄り添った生活で、健やかに梅雨を乗り切りましょう。