7月18日

志木市民会館公開講座

小林 生央 会員

全身の筋肉と脳との間の関連を意識しながら身体を動かすことが、脳の活性化、脳の健康によいことについてお話しします。

ご自分で簡単な実験をすることで筋肉の動きと呼吸の関係を確認することができます。みぞおちに指をあてて押さえてみましょう。息を吐き切り、その状態で指でおなかを押します。おなかの筋肉に力を入れて指の押す力に反発してみます。すると肺に息が入って来ます。

人体には206個の骨があり、骨を動かす筋肉(骨格筋)は640個あると言われます。

身体を動かそうとする時、脳からの指令があって筋肉が縮み、反対側の筋肉が伸びます。このときどれくらい縮んだか、伸びたか、どれだけの力が加わったかを感じる感覚受容器が、筋肉の内部や腱に近い部分にあって、感知した情報を脳にフィードバックします。そのフィードバックがあるので、脳は新鮮な情報に基づいて適切な指示を全身の筋肉に送ることができます。

感覚受容器は、手に5万個あります。

脳には、全身の筋肉にある無数の感覚受容器との間でやり取りすることのできる神経細胞が準備されています。

にもかかわらず私たちが全身の筋肉を使わないとすると、脳の神経細胞の一部に仕事を与えないことになり、仕事を与えられない神経細胞は死んでいきます。脳の神経細胞が全身の筋肉からの新たな刺激の情報を得て処理することができないと、過去の記憶、過去の情報に基づいて処理することになり、生活習慣を作り上げます。一人の人間を取り巻く環境は、日々変化するのですから、全身からの新たな情報を取得して変化に対応する必要があります。それができずに過去の生活習慣にとらわれるとしたら生活習慣病になる可能性があります。

わらべ歌に合わせて、指遊びをすることで全身の筋肉をしっかり使って、からだ全体で感じてみましょう。そして新たな刺激を脳に与えて脳を活性化しましょう。