10月17日
川口市立新郷公民館
中鉢 芳子 会員
当日は好天に恵まれ爽やかな風が秋を運んでくれましたが、例年この季節は台風が多く発生し、低気圧、雨天による高湿度で心身の不調をひき起こす人が増える様です。
東洋医学では「心と体の調和」を健康と言いますが、お天気によって私たちの健康は左右されやすく、体調不良を起こした病状を「気象病」と呼びます。
患者の多くは頭痛や関節痛など痛みを伴う病状となりますが、第三者にはその痛みを共有し難く、まして病院の検査では全て正常値で現れる為、医学の世界では長い間メンタル系の痛みとして扱われていました。
ただ最近は「お天気と健康」に対して専門家の理解が深くなり、原因は「自律神経」の乱れと考えられ、そうした論文や書籍も多く出回っています。しかし病状は個人差が目立ち、世間ではまだ理解の薄い病気であり、医学的な正式病名は付いていません。
講演冒頭では「熱中症」「花粉症」の「季節病」を取り上げました。「気象病」と「季節病」を混乱される方が多いので最初に相違をお伝えしてから講話を始めました。「季節病」は原因が明らかで予防もしやすい病気です。一方「気象病」は気候の変動など自然現象が原因で起こるので、予防が難しいために「規則正しい生活」が基調になります。
プロジェクターを活用し、じゃんけんを交えて「神経系列」で説明しながら「気象病」の原因と言われる「自律神経」と「三叉神経」を理解して頂きました。また耳の構造図を見ながら「前庭神経」が気圧を感じ取る気管であり、眩暈や頭痛に関連する説明もしました。「自律神経」と女性ホルモンの関連も着目されています。
東洋医学では「気象病」を「水滞・水毒」と捉えます。慢性的症状の場合、医師の判断で漢方薬を取り入れる事も有ります。
講演後半では「頭の血行促進体操」を行い、まとめで「睡眠・食事・笑い・運動」を見直す事で「自律神経を整えられる」と纏めました。