講演者:田村 欣也 会員

熱中症予防 高齢者熱中症を発症するのは梅雨明けの第一熱波の時が最も多い。梅雨の晴れ間や湿度が相当高い時も油断は禁物。急に暑くなると体が暑さ慣れしておらず、汗をかき始めるタイミングが遅い。熱中症を予防するには水を「早めに、こまめに、一回ひと口」で飲む習慣をつける事が大切だ。人間の体は一日2.6ℓの水が必要だ。そのうち飲み水が1.4ℓ。出る方は尿が1.5ℓ、不感蒸発が1ℓだ。不感蒸発は普通に生活していても知らぬ間に体から出て行くので、隠れ脱水とも言う。のどが渇いたと感じた時はかなり脱水が進んでいる。高齢になると汗をかき始めるのが遅いので、水は早めに飲むように。

熱中症の4要素は気温、湿度、風、直射日光。湿度が高いと気温がそれほどでなくとも発症しやすい。体温を下げようと汗をかいても蒸発しないから体温は下がらず、汗だけが流れ出て血液が濃くなる。湿気が多いと洗濯物が乾きにくいのと同じだ。湿度が高ければ、25度くらいから要注意。28度は発症の危険が高まる。35度以上は厳重警戒だ。

熱中症の症状はめまい、立ちくらみ、顔のほてりから大量の汗かき,頭痛、吐き気など。このあたりでしっかり対応を。涼しいところに移動し、静かにして、水を少しづつ飲む。脇の下・太ももの付け根・首をタオルなどで冷やす。症状が改善しなかったら、救急車を呼ぶ。意識がはっきりせず、自分で水を飲めないような重症者には水を飲ませず、迷わず救急車を呼ぶべきだ。乳幼児の場合は口がきけなかったり症状を訴えられないので、周りの人は十分に注意を。
熱中症を発症しやすい人とは、朝食を食べない運動の習慣がない人などで、普段の生活習慣から見直すべきだ。

熱中症対策だが、室内では体の調子が良くない、蒸し暑いと思ったら扇風機を回しながらエアコンをつける。これが熱中症予防の特効薬だ。28度が基本。高齢者の40%が家の中で発症している。エアコンは体に悪いと思っている人は冷やしすぎるからだ。冷やしすぎると、体調を崩し、汗腺の機能も低下する。厚労省は、暑い日が続いた後明け方に高齢者が発症するケースが多くなっていると注意を促している。早めでこまめな水分の補給が大事だ。就寝中28度か除湿にしてエアコンのタイマーを3~4時間にセットするのも良い。28度なら水を持ち、帽子をかぶるか日傘をさして外出すべきだ。35度以上は高齢者は外出しない。

暑熱順化―運動をして汗をかき、暑さに慣れておくと、体温が上がった時塩分の少ないさらさらして蒸発しやすい良い汗をタイミング良くかけるようになる。それには5分~10分で汗が出始めるややきつめの運動を5,6月から始めるとよい。