講演者:篠原由紀子  会員

3月15日戸塚西公民館で講演いたしました。
昔話を聞いていると、何故かほっこりとした気分になり、おなかの辺りがあったかくなります。

[民衆の生活の中から生まれ、口伝えで語り継がれてきた]民話には、現代にも通じる喜怒哀楽が込められています。形あるものは、やがてなくなりますが、これまで先祖が残してくれた多くの民話は、庶民のギリギリの生活を背景に、一話一話生まれてきたものです。中でも昔話は日時も場所も、人物像も特定しないで語ることになっています。そうすることで、聞き手は誰でも自分のこととして、我が身に置き換えて擬似体験することが出来るのです。

そもそも昔話とは17世紀頃までは大人のための語りでした。聞き手が相槌を打ちながらリラックスして聞いているのを確認しながら、ゆっくりと間をおいて語る語り手。
その双方のキャッチボールによって緩やかな絆が生まれます。皆で一緒に愉しむことで互いに癒し癒される民話語りは、心の健康に大いに役に立つことでしょう。

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「今日は体の具合がいい」とか、「ちょっと体調がすぐれない」というのと同様に、心の健康にも好、不調の波があります。辛い気分がいつまでも消えずに心の中に留まって、体調までわるくなるようならば、心がSOSを出しているサイン。一人で我慢せずに友人や家族に話したり、専門家に相談してみまでょう。
保健センターや、県立精神保健福祉センターでは、予約による通所相談の他,、電話やメールによる相談を受け付けているところもあります。
人間の脳はもともと心配症でネガティブな思考が8割を占めるという報告もあります。はるか昔、生き延びるためにヒトは集団で生活することを学びました。
優秀な集団に受け容れてもらうためには、他人の評価に敏感になり、気配りも必要で、独自の意見より集団の意見を大切にするようになった、という過程を経て脳が進化してきたためだと言われています。

しかし現代社会では、むしろその逆のポジティブシンキング(幸せを実感しながら生きる)こそが健康で長生きするための秘訣であるといわれています。
ちょっとした目標を立てて新しいことに挑戦したり、短時間でも大好きなことに熱中したり、時には朝の禅などで頭を空っぽにして、心にゆとりの時間をもち、ありがとうの言葉を忘れないようにすれば、脳が喜んで、普段使われていなかった脳細胞が刺激されます。
また、笑いは万病を遠ざけるといいます。楽しいときはもちろん、自分の失敗も笑い飛ばしてしまいましょう。

語り「だんごだんご」「ぼたもちがえる」「へっぴり嫁さ」「山吹の里」