中止となりましたが

1月19日中央ふれあい館で予定されていた講演内容です。

 

毎日、歯を磨かない人はいないのに未だ、虫歯と歯周病になりやすい人とそうでない人の差は歴然としています。

この差は一体どういうことなのでしょうか?特に歯周病は日本人の成人の8割を占めているという誰でも起こりうる細菌感染症であり罹患率の高い疾病です。

そこには、歯科の病気の特徴があるからです。

それは、歯科の分野は自然治癒がない事です。虫歯の穴が出来て自然に塞がることも歯周病が進んで歯を支えている歯槽骨が減ったものが薬で元に戻る事もないのです。

まさしく生活習慣病なのでじわじわと進行する為におかしいと気がついた時にはもう戻ることは出来ないのです。しみる、痛いなどの自覚症状が出来て行く頃にはかなり進行していることも・・・。

先ずは定期的にかかりつけの歯科医院で定期検診と専門的なクリーニングとご自身の歯ブラシができているかどうかのチエックは是非ともおすすめいたします。

ちなみに口腔ケアとは歯に限りません。お口の中は、歯の表面積が25%で舌やのどの粘膜が75%を占めます。歯を磨くだけでなく舌のケア、うがいもしっかり行うことが大切です。

このコロナ禍においてウイルスの感染経路は目や鼻、口の粘膜から進入します。口の中に入った時点ではまだ悪さはできません。ウイルスは周りがタンパク質で覆われてそのままでは増殖できません。

しかし、歯周病菌はタンパク質を分解する酵素であるプロテアーゼを出すため歯周病の進行した方、歯垢(80%細菌の塊)が溜まっている方はプロテアーゼが(鼻、のど、口の中に常在)多いと言うことになります。その結果、タンパク質が切断され細胞内に侵入出来てしまうのです。

適切な口腔ケアがインフルエンザの罹患率を下げることは知られていますが新型コロナウィルスの予防にも有効と言われています。