講演者:塩沢 満子 会員

先週末の大雪が残る寒い2月18日、戸塚西公民館でこのテーマで講演をしました。
ぐったりした体ばかりか、しょんぼりした心もやさしく癒してくれるお風呂。またこの寒い季節の冷えをとるためにも大切な温かいお風呂。でも間違った入浴法は健康にも逆効果です、とスタートしました。
健康的な入浴法、危険な入浴法
♪いい湯だな~♪で健康寿命を伸ばそう!レジュメの1では、なぜ私たち高齢者にとって「健康寿命」が大切かを話しました。自分の身のまわりのことは自分で出来る生存期間=健康寿命、この期間が長いほど、自立した生活が出来、介護・寝たきりを防ぎ人生最後の時期までいい幸齢期を過ごすことに繋がります。
昨年の交通事故死4、373人を上回る人が、統計では浴槽で溺死しています。さらにこの溺死の人数を含めて、1年間に入浴中の事故死が17、000人と報告されています。
この寒い季節にはヒートショックが命の危険を招きます。お風呂に入る時、暖かい居間→寒い脱衣場で衣服を脱ぐ→寒い洗い場→熱い湯船と移動します。この時血圧は50ぐらい上昇、下降を繰り返す。そこで心筋梗塞から意識障害を起こし、お風呂場で倒れる、浴槽で溺れる事故になってしまう。
それを防ぐには、湯を入れる時、沸かす時には風呂のふたを開けたままにする。または脱衣前に浴室のシャワーを高い位置から数分間出して、浴室を温める工夫を。可能であれば脱衣場に小さなストーブ(火事の危険のないように)を用意する、などヒートショックを防いでください。
そこで危険な入浴法を知って、思わず「極楽!極楽!」とつぶやいてしまうお風呂を、健康寿命を伸ばすために生かして欲しいとこのテーマを選びました。
はじめに話の中には何度も出てきますが、大切なことからお伝えしました。

  1. お湯の温度は、42度未満で体温に近いほどいい温度環境で心身ともにリラックスできます。逆に42度以上の熱い温度は心身ともに緊張し、皮膚が熱いと感じて体の芯まで温まるまでお風呂に浸かっていられない。
  2. 首までどっぷり浸かる全身浴は水圧がかかりすぎ、体中の温められた血液が一気に心臓に戻り心臓・肺に負担がかかる。反対にみぞおちから下だけ浸かる半身浴は下半身の温められた血液はゆっくり心臓に戻り、暖かい血液が全身をめぐり徐々に体の芯まで温める。
  3. 風呂場でのかけ湯は脚から十分にかけ、心臓に近づいてかけていくこと。温泉、スーパー銭湯では頭にも十分かけ湯をすると、頸動脈の血管を開き脳への血流を和らげ、のぼせの予防にもなります。
  4. 体の温まりのサインはおでこ・鼻の頭がほんのり汗ばんだら。汗がだらだらと出たり、顔や体が真っ赤になるほどは浸かりすぎです。
  5. お風呂に入る前・出た後には必ず水分補給を忘れずに。
  6. 風邪をひいた時には足湯・手浴がいいでしょう。足湯は深いバケツを用意して40~45度の湯を入れ足を浸し10~15分。途中湯が冷めたら熱い湯をたしながら行ってください。手浴も洗面器に足湯と同じ温度の湯を入れ、手首まで浸す。時間・湯が冷めたら熱い湯をたしながらは足湯と同じ。

最後に血圧の高い人の入浴の仕方、血圧の低い人の注意点、腰痛・肩こりの人の効果的な入浴法をお伝えして終了いたしました。