講演者:田中 満恵 会員
10月17日(水)川口市中央ふれあい館 にて講演をさせていただきました。
高齢者になると体と心に変化が現れ、食生活にも影響が出てきてくる事を例を挙げて説明することから始めました。その結果低栄養状態になり、筋肉の働きが衰え活動的に動けなくなる、又免疫力が衰え風邪など感染症になりやすくなる。又女性の場合は50歳前後から女性ホルモンのエストロゲンの減少によって骨粗鬆症になり、転倒などで、骨折しやすく、その結果介護が必要になることが予想されます。シニアライフを楽しく元気に過す為には、食生活は大切な要素になります。
次に皆さんと一緒に、若い頃のご自身の姿を思い出して頂き、今の自分とどのように変わったかを考えていただきました。
先ずは、体の変化について頭から考えて行きました。髪の毛は、黒々していたが白髪交じりになり目は、老眼鏡を使っていなかったが老眼鏡が必要になり更に白内障が心配になる。耳については、気づかない間にテレビの音が高くなっている。そのほか歯や唾液そして腰、ひざと次々に考えていただきました。
次に心の変化について考えていただきました。基本的人格は変わらないがその人の特徴が強く現れる。知的能力や判断力などの低下が起こり、自分を抑えることも弱くなる。すると、環境に上手に適応することが出来なくなり、頑固になったり、自己中心的に為ったりする。3日前に、あった友人の体験をお話した。
老化は何故起こるのだろうか。細胞の水分量が減り、臓器の萎縮がおこるため内蔵機能が低下し、このような現象が起こる。9月に本間講師から日本人の平均寿命が女性が85.90才で男性は79.4才と聴かれていますよねと話す。
『女性は何故、男性より、長生きをするのでしょうね』と問いかける。
- 男女で大きく異なるのは、ホルモンですね。女性ホルモンのエストロゲンは、血管拡張作用があり、動脈硬化や骨粗鬆症から守ってくれている。
- 性染色体に違いがあり女性はXXで男性はXYの染色体をもっています。女性には、X染色体が2個ですが、男性は1個で、このX染色体の中には酸化を防止するための物質を作り出す、システムが組み込まれていておりこれが、老化予防をしているという説があります。
- 男女の基礎代謝量の違いにより女性の方が、エネルギー効率が良い事が考えられます。エネルギーを作り出すための酸素消費量が少ないため活性酸素の産出量も少なくて済むという説のお話をしました。
会場より『へぇ―!そうなんだ!』という声が聞こえました。
私達の体は何で出来ているのでしょう。細胞(同じ細胞が集まって)・・・→組織(色々な組織が集まって)・・・→器官(色々な器官が集まって)・・・→体 になっている事を細胞の構造図を使って説明しました。最後に、栄養素が体にどの様に働いているかを構造図を使いながら話しました。(バランスの良い食事が大切だということを少しでも分かっていただくことが目的で)
- タンパク質
- 細胞の主成分 動物性と植物性があることを図を使って見ていただき、食す割合などを説明。タンパク質は大きな分子なので、血管の中や細胞に入れないので、私達は、機械的消化(噛み砕く)や化学的消化(酵素による)により小さなアミノ酸に分解 酵素をハサミに例えはさみの握りの一つは葉酸とビタミンB6もう一方にミネラル この状態で、酵素がよりよく働くことを・・・図を用いて説明人の体を作るアミノ酸は22種類そのうち9種類は食品から出なければ摂取できない。これを必須アミノ酸と言います。アミノ酸が、どの様に細胞を作るかアミノ酸は血液により細胞のリボソームに送られ核から設計図DNAが渡され、設計図に従い、アミノ酸を組み合わせて、新しいタンパク質を作る・・・細胞の図を使い、神経細胞から神経組織が、筋肉細胞から筋肉組織が出来る状態を図の上でアミノ酸を丸いマジック三色を使い説明、よって、常に各種のアミノ酸がないと健康な細胞が出来ないので、色々な食品を食べることが大切とはなしました。動物性タンパク質も肉類:魚類=1:1で摂ることを厚生労働省の『国民健康 栄養検査』の結果を用いて説明させていただきました。
- 脂肪
- 細胞膜、筋肉、血管、骨、等を作るのに必要な脂はメタボリックシンドロームで嫌われ者になったが、高齢者には大切であることを説明固体の脂、液体の脂それぞれの脂の良い所と悪い所の説明し、固体の脂の原料、牛、豚などの体温を例に、摂る割合を説明化学的消化により脂肪とグリセリンになることを酵素の図を使い説明ここでも、酵素がよりよく働くにはビタミンB2とミネラルが必要。老化を抑えるために、1日1食は油料理も入れてみよう。但、コレステロールが多いとお医者さんから言われている方は、お医者さんに相談下さい。
- 炭水化物
- エネルギー源、日本人は60%これからエネルギーを得てる化学的消化(酵素)でブドウ糖に酵素の応援はビタミンB1とミネラル頭のエネルギーはブドウ糖のみ細胞のミトコンドリアの所で酸素により燃焼し、エネルギーが作られる、このエネルギーを使って人間は生活しているので、生活活動のエネルギーと言う。又、このとき使われた酸素の2%が活性酸素になる体のあらゆる所で、活性酸素が発生している。(老化の原因になる)使われなかったブドウ糖は筋肉や肝臓にグリコーゲンと言う形で貯蔵してくれるが、肝臓では1回に約60g、他は体内で脂肪に作りかえられて、内臓脂肪として蓄えられる・・・肥満 朝食抜きが何故だめか、夜寝ているときも、1時間に約5gのブドウ糖を消費、8時間で約40g消費する計算になる、朝起きて支度して、仕事場に行くと、もうブドウ糖がない、頭のエネルギーがないので、能率が上がらない。3食バランス良くしっかり食べて下さいと話した。
- ビタミン
- 代謝作用、抗酸化作用ここでも、野菜、果物の中に含まれている抗酸化作用をする、カロチノイドの種類とどの様な野菜や果物に含まれているかを挙げ説明した。ここでも、活性酸素から身を守るために、色々な食品を食べて欲しいことを強調した。
- ミネラル
- 代謝作用、体の構成成分、生理作用体の中に働くミネラルは16種類あるといわれていますが代謝作用として・・・Mg,Mn、Coの話。構成成分として・・・Fe,Ca,Pの話。生理作用として・・・Ca,Mg,K の話。体の中で、一部のミネラルは一定量イオンの形で存在する。例として、カルシュウムイオンは細胞間などを流れているが、ウイルスなど進入したのを直ぐに細胞に連絡、細胞はウイルスを倒すための抗体を発射させてウイルスの増殖を防ぐ、カルシュウムイオンは使われてしまいましたので、コレを追加しなければならないのですが、食べないと骨を溶かしてしまい、どんどん解けて、血管につくと動脈硬化を起す原因になります。又骨粗しょう症になります。ミネラルもしっかりとりましょうと話す。
- 食物繊維
- 腸内で大活躍、コレステロールを低下、中性脂肪を減少。腸内細菌の話をし、善玉菌の大好きな、食物繊維、乳酸菌を摂って元気な腸で長老に!ここで稲田講師に高橋儀一氏作詞の『食べもの10倍歌』を歌っていただきました。老化防止の栄養素ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ポリフェノール、大豆サポニン の各含有食品と効能を説明。脳トレのプリントを作りましたが、ゆっくりやる時間がありませんでした。しかし中央ふれあい館の皆様、しっかり回答を出されていました。健康管理士の皆さんに早くから、お手伝いを頂きまして、感謝いたします。
反省:気の小さい私、テレビが入ると聞きまして、誰かに代わって欲しいと思い上原会長にお願いいたしましたが、ダブっていらしたようで、駄目でした。覚悟を決め、原稿を書き直したのですが、いざ本番になりましたら、折角書いた原稿を見ず、話してしまいました。テレビの映像が送られてくるとの事(以前2回ほどテレビが入りましたが、ほんの紹介くらいでした)今度は映像が全て送られてきたら、反省だらけと覚悟を決めています。