講演者:田村 欣也 会員

平均寿命と健康寿命の差がおよそ10年ありますが、この差を縮めましょう。
歩けることが生活の基本ですから、転倒・骨折に十分気をつけてください。健康で長生きのためにはバランスの良い食事と適切な運動が肝心です。
そして、ゆっくり落ち着いて行動し、水を早めにこまめにとることです。体からは普通に生活していても1日1ℓの水が蒸発します。そして,喉の渇きは感じ方が遅いので、早めに水を飲み、特に夏は熱中症予防に気をつけましょう。
長寿者は三食きちんと食べ、肉も果物も好きです。そして身だしなみに気をつけ、家族や友人と出かけて、お金も自分で支払います。元気で長生きの人は“もう年だから”などとは言いません。但し体は気がつかないうちに少しずつ衰えていますから、無理をしてはいけません。

朝は毎日同じ時刻に起き、着替えて、一杯の水を飲み、朝日を浴び、朝食をとりましょう。
体重管理も大切です。体調を知るのに良いので、できれば毎朝測ってはいかがでしょうか。BMI(体形指標)25未満を目指すと良いでしょう。しかし、低栄養には気をつけて下さい。脳卒中・心筋梗塞や感染症、転倒・骨折の元になります。
1日3食で肉、魚、卵、牛乳を摂り、毎食野菜を合わせて350g、そして果物やキノコ類、海藻類などバランス良く摂るのが良いです。低栄養の人は1日3回食べない日が週に2~3回あり、昼ご飯を簡単に済ます傾向があります。腹八分は良い事ですが、低栄養との“別れ目”が難しいですね。

転倒 老人 ねたきり 「ぬかづけ」 高齢者は家の中で転んで骨折する事が多いです。それを防ぐのは「ぬかづけ」です。

―濡れた所で滑らない

―階段で落ちない

づけ―家の中の片づけをして躓かないようにしましょう

と言う事です。

運動も大事です。歩きと筋トレを合わせて、特に足の筋肉を鍛えましょう。足が痛くても少しでも歩くようにしないと、ますます歩けなくなります。自分の体調に合わせ、その日の体調を考えて、あまり無理をせずに運動を続けて下さい。

夕食は就寝3時間前で、9時頃までに済ませ、お風呂は就寝1~2時間前に温めに20分ほど入るのが寝付きには良いでしょう。その際脱衣所を暖かくし、湯船に入る前に一杯の水を飲んで下さい。特に42度以上の熱い湯ですとかなり汗をかき脱水状態になりますから。そして一番気をつけて頂きたいのはあがる時です。水圧がなくなるので血液が下がり立ちくらみを起こしやすく、その上片足立ちになりますから、転んだり、湯船の中に沈んだりする危険があります。
睡眠は高齢者は6~7時間。就寝時間は日付が変わらないうちが良いでしょう。これも人によって違いがありますが、寝不足でも朝同じ時間に起きれば、その日は早く眠れるでしょうから、起床時間を一定にするのは効果的だと思います。