講演者:手塚典子 会員

9月10日、新郷公民館で講演しました。はじめに、米5キロを会場の全員に持ってもらいました。頭の重さ5キロが想像以上にずっしりと重たいことを実感してもらうためです。
そこから、頭を支える背骨の働きに入っていきました。背骨は1本の骨ではなく、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、仙骨、尾骨の計26個からなり、重い頭を支えるために緩やかにS字を描いて重さを分散しています。前かがみの姿勢が続けば、7個の骨だけで首は5キロの重さを支えなくてはならなくなり、ストレートネックになってしまいます。
次に、母の経験をもとに、痩せすぎは骨粗鬆症のリスクを高め、太りすぎは膝関節を痛めるリスクが高くなるという話をしました。
Human backbone in x-ray
良い骨づくりに必要なのは、太陽にあたること、運動をすること、栄養を摂ることです。カルシウムだけでなくタンパク質、マグネシウム、ビタミンDやKなどです。
なぜ、これらの栄養素が必要なのかを、絵を使って大工と左官が家を建てる話に喩えました。ホルモン、酵素、補酵素が体の中でどんな働きをしているのか、色々な栄養素が必要な理由も理解していただけたと思います。
後半の砂糖の話に繋げるため、ホルモン、酵素、補酵素を覚えて頂き、ストレートネックを予防するためたの軽い体操をして休憩をとりました。
ケーキと大福の絵を用意して、それぞれどれくらいの砂糖がふくまれているか、また葡萄と玄米赤飯の糖質はどうかも比較しながら、体に摂りいれられていく過程を話しました。
砂糖はブドウ糖と果糖からなる2糖類、米のでんぷんはブドウ糖が10個以上繋がってできている多糖類です。これらは、消化酵素によってすべてがばらばらにされ、ブドウ糖1個だけの単糖類になってから血管に送り込まれます。
このブドウ糖の量を血糖値といいますが、たくさんの砂糖を摂ると血糖値は急上昇します。大量の血糖が細胞に届けられるためには、大量のインスリンホルモンと補酵素としてのカルシウムが必要になるのです。
その後糖がエネルギーに変わるためには補酵素としてのビタミンB群が必要です。エネルギーが必要なかったり、補酵素が足りなければ、糖は行き場を失い、タンパク質にくっついて糖化し、タンパク質の質を悪くしてしまうAGEとなり、老化を早める原因となります。骨の半分がタンパク質であるコラーゲンからできておりこれが糖化すると「骨質が悪い」ということになります。
 また、補酵素として使われるために骨から借りてきたカルシウムが、骨に戻されずに他の組織に付いて石灰化の原因をつくります。
 老化を早める糖化や石灰化を予防するための食事は、色々な食材を使った、色とりどりの和食が理想です。玄米ごはんと一汁三菜に納豆を加えてみてください。
ご協力ありがとうございました。