講演者:大嶌悠美生 会員

 12月10日(木)川口市新郷公民館の「若返り健康講座」で講演をさせていただきました。今回も多数の人達に出席を頂きました。これも偏に川口支部稲田さん、若木さんの努力の賜物と感謝しています。
 日本は今、超高齢社会という時代に入りました。そこで高齢者は日常的に介護生活にならないように自立した生活を送り、健康寿命を延ばしていく必要があります。

Women have been trained to walk

 最近、新聞やTV健康番組などで「サルコペニア」という言葉を聞いたことがあるかと思います。これはギリシャ語で、サルコは「筋肉」・ペニアは「減少・低下」を意味します。つまり筋肉減少、骨格筋減少ということです。このサルコペニアにはいくつかの原因がありますので、簡単に説明させていただきます。

一つ目は加齢です。
 高齢になるにつれて筋肉の量が減り、筋力が衰えた状態になってしまうことです。個人差はありますが筋肉量は20歳前後の筋肉量を100とすると、20歳~50歳までに約10%減り、50歳~80歳までに約30~40%減るとも言われています。あまり筋肉を使っていない人はもっと減っていくといわれています。

二つ目は栄養不良です。
 食事量が少ないことや、消化管の疾患、吸収不良、薬剤服用などによりエネルギーとたんぱく質の摂取量不足によって生じます。

三つ目は活動不足です。(入院患者)
 活動、栄養、疾病が含まれます。常にベッド上で安静にしていて、日常的にあまり動かない生活スタイルなどにより生じます。

四つ目は疾患です。
 侵襲、悪液質、神経筋疾患などです。活動不足(疾病)や疾患については専門的な対応が必要ですが、加齢や栄養不良については日常的に肉体的に体の筋肉や関節をまんべんなく使うこと。「精神の若さ」を持ち続けること。生活習慣の改善など、運動と食事を意識することでサルコペニアを防ぐことはできると考えます。
・自分自身のロコモチェック(運動器の総合力を確認)の方法についてご説明しました。

1)片足立ちチェック
 :平らな床に立って、右足・左足それぞれで片足立ちがどれだけできるかを測定する。
2)手伸ばしチェック
 :壁面に向かって立ち、両手を水平に伸ばして、どれだけ離れた場所からタッチできるかを測定する。
3)行き帰りチェック
 :先ず椅子に座り立ち上がり、3mの距離を歩行し行き帰りして、椅子に座るまでの時間が11秒以内にできるかを測定する。・・・②と③を実際に何人かの人に行っていただきましたところ、年齢基準以上の人ばかりでした。

 その他、ロコモ危険度テスト、閉眼つま先立ち(平衡性テスト)、しゃがみ込み(柔軟性テスト)、片足立ち上がり(筋力テスト)やいくつかの筋力運動等を紹介しました。運動は自分に合ったものを選び、食事と休養にも注意して、継続して行うことです。特におすすめは毎日のラジオ体操をすることです。そして寝たきりにならない元気な体づくりを心がけましょうで、終了しました。

 講座終了後アンケートを27名の方から提出していただきました。今後の要望につきましては前回にもアンケートを出していただいたこともあり多くありませんでした。項目としては・生きがいの見つけ方・自宅でできる運動・転倒予防の運動をもっと実演してほしい・認知症予防等でした。