3月16日 中央ふれあい館

佐藤衣代 会員

もの忘れ、度忘れは年を重ねるにしたがって良くある現象となりますが厳密には別物であり、どわすれを漢字で書いたり、語源を知ったりすると「度」にも興味を覚えます。

年齢にこだわらず前向きな姿勢で日々の生活を豊かにし、脳を活性化して過ごしていただきたいと思いこのテーマにしました。

そもそも記憶は

感覚器から得た情報を脳が受け取る(記銘)ことから始まり、

それを忘れないように保ち(保持)、

必要に応じてその情報を思い出す(想起)という3ステップを踏んでいます。

記憶は保存される期間により一瞬記憶される感覚記憶とそれより多少長い短期記憶、そして何十年もの長い間保管される長期記憶があります。

短期記憶は海馬に保管され、長期記憶は大脳皮質に保管されます。保管場所を決めるのが海馬であり、生きていくのに必要な情報だと判断したものが大脳皮質に保管されます。ほおっておくのではなく思い出して使うことが記憶をより確かなものにしますし、想起することを前提とした覚え方をすることが肝要だとされています。

更に海馬は記憶を司りますが、海馬の隣に扁桃体があり、好き嫌い、快不快などの感情を海馬に伝え、記憶形成に大きく影響を与えます。そのため、深い悲しみ、恐怖心など心を大きく揺さぶるような出来事はいつまでも記憶にとどめられてしまいます。ですから幼児期に恐怖、嫌悪感、憎しみなどは植え付けるべきではないと考えます。

記憶を阻害するものとして加齢、ストレス、疲れ、睡眠不足などがあり、海馬は「記憶の司令塔」であるにも拘らず非常に繊細でストレスに弱く、萎縮して機能低下になってしまうので強く長引くストレスには注意が必要です。加えて、睡眠不足も非常に不利益を被る要素であることを、図を使って説明しました。

最後に脳を活性化する3つの生活習慣として「好奇心」「有酸素運動」「コミュニケーション」を心掛けることが大切であることをお伝えしました。